見た目がきれいでも中身は…!?
内外装のリフォームで見た目はきれいになる。大切なのは中身だ。
立地や価格で魅力的な中古物件も、選び方を間違えれば返って損をする可能性もあります。どのように建ったのか、どのような住まわれ方をしていたのかわかりにくい中古住宅こそ、新築よりも「慎重に選ぶ」必要があると言えるのです。
違法建築物(違反建築物)とは
それではもし気に入った物件が「違法建築物」だったらどうしますか? 「違法建築物」とは建築基準法などの決まりに違反して建てられた建物のことを言います。具体的には建蔽率や容積率をオーバーしているもの、接道義務違反などがあり、初めから違反して建てられたもの、はじめは基準を守っていたけれども違法な増改築を繰り返し違法建築物となったもの、確認申請などの必要な手続きを取っていないものなどが該当します。違法建築物だとどうなる?
違法建築物の場合、その建物は内外装のリフォーム程度であれば可能ですが、増築などの大がかりなリフォームはできません。また接道義務違反といって、土地が道路に2メートル以上接続していない土地の場合、そこに再度家を建てることができません(再建築不可)。違法建築物を購入する・転売する時
違法建築物の場合、住宅ローンを組めない銀行が増えています。したがって、購入したいと考えた時には現金を用意するか、もしくは銀行以外からお金を工面する必要があります。また将来的に売りたいと考えた時に、やはり購入者側がローンを組めないため、なかなか売れない可能性が大きいでしょう。その違法建築物である中古住宅が気に入り、たとえ費用を工面して購入できたとしても、転売できないとなるとリスクは大きいです。家は人生で一度あるかないかの大きな買い物です。その時は大変気に入り「ここにずっと住むから転売できなくてもいい」と思っていても、いつなんどき事情が変わるかわかりません。転居する可能性はあると考え、売りやすい物件を購入したほうがリスクは少なくなります。
さまざまな面で不安あり
建ったときの様子、どんな住まわれ方をしてきたか、わからないだけに慎重に見極めたい。
後悔しない中古住宅の購入のためには、こういった住宅の性能面をしっかりチェックすることが大切だと思います。たとえリフォームして新築同様のきれいな家によみがえったとしても、今後大きな地震があった時に倒壊・崩壊してしまったら、大切な命や財産を失いかねません。安く買えたとしても元も子もなくなってしまいます。
本当にお買い得なのか、今一度考えて
不動産会社によってはこの違法建築物の中古住宅を「お買い得だ」と勧めてくることもあるようです。確かに目先の費用面ではお得に見えるかもしれません。しかし違法建築物は既存不適格物件と異なり、いろいろな点でデメリットが多いことを十分に理解しておきましょう。【参考サイト】
NO.36 違反建築物と既存不適格建築物(不動産売買の法律・制度)
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