満足度がピークに達する瞬間をみつけよう
「買い時」を別の次元で考えてみると「満足度が最大限に高まるとき」が買い時と言うことができます。これも「自分の中の買い時」が軸で、「外の買い時」はそのスパイスのようなものです。モノについて一番いいのは「必要になるまで買わない」ことでしょう。それこそ「必要が極限に達するまで買わない」くらいでもいいかもしれません。本当は欲しくてたまらないし、ないとちょっと困るのだけれど、もう少し様子を見る、くらいまでもってこれれば、買い物をしたときの満足度を一歩高めることになります。これは自分の中の「欲しい!」を高めたからです。
子どもが欲しいものを親にねだったものの、3ヵ月後の誕生日までガマンするようにいわれ、残りの日数を数え、夢にまでみて手に入れたときの喜びが大きいのに似ています。これも、その時間的じらされ具合により満足度が一層高まったからです。
オトナの場合、同じように満足度を高める方法はトライしてみるべきだと思います。「自分へのご褒美」はまさにそれで、自分を自分でじらすほど効果的です。「夏の旅行!」とか「ボーナスが出たら○○を買う!」がいいのはまさに「自分の中の買い時」を考えた効果といえます。
また、もうひとつ満足度を高める方法は、その「時間」をさらに有意義に使うことです。オトナにおすすめなのはこの時間を「情報の収集や分析」にあてることです。外れの商品やまだ価格がこなれていない商品をみつけるためには、時間をかけて分析・評価が必要です。
旅行の場合も時間を掛けてプランを練ったり、安いチケットを探せば満足度は高まります。自分に似合っていない服を衝動買いで買って失敗する理由は、「分析時間」が少なすぎるせいですから、これも回避できます。
先ほど「外の買い時」ではなく「内なる買い時」を探そうという話をしましたが、「外の買い時」と「内なる買い時」がうまくつながってきたとき、さらに満足度は高まるといえるわけです。
満足度の勝負は買った時点で勝負アリ!
今回満足度の話をしていますが、実はたいていの満足度は買った段階でほぼ勝負ありです。買ったあとに大事に服を着たり、買ったデジカメを大事につかって満足を高めるような「元が取れた!」という買い物をいつもできるわけではありません。買った段階で「いい買い物できたなあ」と思えるくらいになれば、まさに買い時の達人です。テレビや雑誌といった「外の声」に耳を向けるのではなく、ぜひ「内なる声」に耳をすませて自分の買い時をみつけてみてください。