昭和の黄金時代は夜8時のプロレス

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昭和に負けず、平成プロレスも熱い!

プロレスはテレビの普及とともに日本に根付いたスポーツ大衆娯楽です。NHKが開局したのは1958年2月1日。その半年後の同年8月28日に日本テレビもスタートしました。翌59年2月19日の力道山&木村政彦とベン&マイク・シャープの初のプロレス国際試合はNHKと日本テレビの2局で中継されて空前のプロレスブームに。日本テレビは開局に備えて都内29ヶ所、周辺部に39ヶ所に街頭テレビを設置しましたが、プロレス中継が始まると街頭テレビの前は黒山の人だかりとなり、プロレスはテレビの普及に大きな役割を果たしたのです。70年代には新日本プロレスが金曜、全日本プロレスが土曜、国際プロレスが月曜……3団体がいずれも夜8時のゴールデンタイムで放映されていました。

「夜8時のプロレスは見ていたよ!」という中高年の人たちの声をよく聞きます。それは力道山に夢中になった父親世代の影響もあるでしょうし、テレビのチャンネルを回せば自然とプロレスが目に飛び込んでくる環境にあったことも大きいでしょう。男の子だったら誰でも一度はプロレスにはまったはずです。プロレスはかつて人気ドラマの『太陽にほえろ!』や『3年B組金八先生』などの高視聴率番組とも勝負していました。

では、現在のプロレスはというと……地上波は新日本プロレスがテレビ朝日で深夜帯に放映されているのみで、あとはCS放送、BS放送に頼っているのが実情です。それでも今のプロレスは総合格闘技の台頭や地上波からの撤退という風雪に耐えてスポーツ・エンターテインメントとして進化を遂げ、再び熱い時代を迎えつつあります。

勝負論のみではないエンターテインメント性に目覚める

今のプロレスが昔と違うのは「どっちが勝つか?」という勝負論を脱して進化を遂げたことです。90年代後半から立ち技のK-1や総合のPRIDEといった他の格闘技が台頭してピンチに陥りましたが、それによってプロレスは『勝負論のみの他の格闘技とは違うエンターテインメント性』に目覚めたのです。

選手たちは勝つことを大前提としながらも、いい試合を提供することを重視するようになりました。対戦者同士に「お互いに持ち味を発揮しよう」という共通認識があるので試合にハズレがないのです。昭和プロレスのファンからは「試合に緊迫感がない」とか「大技の応酬で闘いが軽い」という声もありますが、スタイルの変化は時代の要請。今はゲームからプロレスにハマったというファンも多いだけに殺伐とした試合よりも大技が飛び交う派手な展開が好まれる傾向にあります。その一方で昭和のベテラン選手のゴツゴツとした重厚な試合は、今のファンには逆に新鮮に映るようで、時ならぬ昭和プロレスブームも起こっているのですからプロレスファンの懐は深いのです。