東日本大震災の復興応援ソング
AKB48にとって23枚目のシングルとなった、2011年10月に発売された曲です。この年の3月11日に発生した東日本大震災の被災地へ向けた復興応援ソングであり、前作の「フライングゲット」から一転してメッセージ性の極めて高い曲となっています。
1歩ずつ、確実に力強く進むという決意
私自身は阪神淡路大震災を経験しましたが、まるで映画の世界のような震災がこの日本で起こるとは夢にも思いませんでした。あれほど恐ろしいことが起こるとは、なかなか信じられず気持ちの整理がつきませんでした。数ヶ月もの間、阪神淡路のときにしばしば見られた「地震酔い」が起きてしまい、脳が現実に上手く適応できていなかったのを覚えています。「風は吹いている」で描かれている世界は、被災での絶望から復興への決意と歩みです。失ったものはまた積み上げていくしかありませんが、諦めずに1つずつできることをやっていけば必ず自分たちの世界を築き上げることができます。絶望感に襲われ気持ちが折れてしまいそうになっても疲れたときには少し力を抜き、被災者の皆さんには命を大切に力強く生きていただきたいと願っています。
復興への願いを形にした1曲
4分程度のこの曲に、被災者に向けた願いがすべて込められています。秋元康さんの多彩さにはいつも感心させられます。AKB48の力強いダンスと力強い意志を想像させるメロディ、真っ直ぐな決意と復興への歩みを描いた歌詞が揃った、まさに素晴らしい復興応援ソングです。改めて聴いてみるとさまざまなことを思い出して涙ぐんでしまうのですが、日本が平和で活気のある国に成長してほしい、という気持ちが強くなります。私もできることからやっていこうと決意を新たに頑張ろうと思う次第です。