例えば、いじめ問題の報道では、子を持つ親にとって「被害者はもちろん、加害者にならない」というのは切実な問題です。また希望の大学に進学し「これで安泰」と思ったら、就職活動でつまずいたり、会社をすぐに辞めてしまうことも。
理由は様々にあると思いますが「自分の思い描く世界と現実のギャップを埋めることができない(その術を持たない)。」ということが、ひとつの大きな要因ではないかと思います。
では、理想と現実のギャップを乗り越え、親が望む「生きる力」を育むにはどうしたらいいか? 今回は私の経験を元に、旅を通して、家族の絆を深め、楽しみながら生きる力を育む、親子の「旅育メソッド」を紹介します。
楽しみながら生きる力を育む。親子の「旅育メソッド」とは?
私は息子が生後4ヶ月の時から旅を始め、9歳の時に47都道府県を制覇しました。その間、様々な人と出会い多くの体験をしましたが、旅での経験の積み重ねは、何よりも息子の自信や力につながっていると強く感じます。また、10年以上にわたる家族旅行を振り返ると、「生きる力」を育むのに重要なのは、旅の回数ではなく、旅での親子の関わり方であると感じます。私は生きる力を、「自己信頼力」「コミュニケーション力」「知恵を育む力」の3つと定義しました。「自分を愛し認めること、他者を理解し協調すること、経験から学び新たなことを創造できること」……これは「自分の思い描く世界と現実のギャップを埋め、よりよく生きること」に欠かせないことです。そこで、三つの力を旅で育むために実践したいことを『村田和子式 親子の「旅育」メソッド』としてまとめました。
旅は、様々な世界観、その中での自分という存在、家族や周りの人との絆などを、実践で学び、体感するに最高のステージです。特に言葉を理解する3歳頃から、基礎的な脳ができあがる9歳頃までは、脳科学的な分野でも「実体験が何よりも大切」といわれています。まさにこの時期にこそ「旅育」を実践して頂きたいと思います。
家族旅行という楽しい経験の中で育まれた「生きる力」や「絆」は、将来に渡り子どもたちの財産となり心の支えとなります。もちろん勉強も大切です。でも根本的な「生きる力」が備わってこそ、勉強で得る知識から知恵を育み力を発揮するのではないでしょうか。
昨今は「良い学校へ入る」ことが、「手段」ではなく「目的」となっている風潮が見受けられます。そのために、子どもの成長に必要な、その時にしか経験できない「本当の学び」が不足しているのではないかと危惧しています。日常を振り返り、できるところから「旅育」を実践してみませんか?
村田流~旅育メソッドの考える「生きる力」とは?
旅育メソッドでは、生きる力を以下のように定義をしています。自己信頼力
自信、自立心、積極性、責任感、粘り強さ等
コミュニケーション力
他者理解、共感力、社会性、協調性、表現力、判断力等
知恵を育む力
知恵とは、机上の知識ではなく、自分の体験から裏付けられた知識やノウハウのこと。経験を通して自分なりの考えや実践的なことを結び付けて活用し、また新たな発見ができる力。観察力、論理性、判断力、思考力、創造性、ひらめき等
5つの旅育メソッドで、いつもの旅で学びが増える
旅育メソッドとは、旅から多くを学ぶための、私が提唱するコミュニケーションのヒントです。ぜひ以下を参考に、旅育をしてみてくださいね。
はじめに:親が楽しみながら学び、手本となる
旅育メソッド1:旅の計画や準備は子どもと一緒に
旅育メソッド2:役割や目標を設定し、ほめて成功体験に
旅育メソッド3:旅先で家族各々で過ごす時間を作る
旅育メソッド4:本物に多く触れ関心の芽を育む
旅育メソッド5:思い出を形にして記憶に残す
※この記事は、All Aboutまとめ「村田和子式 親子の旅育メソッド」として、複数記事で展開するコンテンツのひとつです
※旅育メソッドは、村田和子が提唱し商標登録をしています。旅育メソッドをご紹介いただく際には、引用ルールにのっとり適切にご使用ください。