株価が上昇して、円安が進行すると、日本人投資家はもうかります。収益がでてきたところで、それを失いたくないという気持ちから、人は利益確定の売りを行おうとします。

なぜ利益確定するのか?

利益確定の売りが、当たり前の投資行動だと錯覚してしまうのには、ワケがあります。それは、プロの人たちが始終、利益確定の売りを行うからです。しかし、少し考えてみてください。プロがそれを繰り返すにはやむをえない事情があります。プロたちは他人のお金を増やして、それで食っています。どれだけ増やせたかを、毎月毎月結果をチェックされるのですから、継続的なパフォーマンスを求められます。

時間をかけて大きく増やすことよりも、利益を出し続けることが重要なので、利益確定をせざるをえないのです。ですから、その必要のない人がまねることもないのです。

プロとアマは違って当然

一般の個人は、自分のお金を自分のために運用しています。老後の生活資金を作りたい人であれば、そのゴールは60歳とか65歳なので、きっと時間はたっぷりあるはずです。途中経過に文句をいう上司も監査役もいないのです。

そうであるならば、小さな利益を確定することよりも、上げ潮にまかせて放置しておくことが賢明だと思います(もちろん、その投資方法が適切で、長期的に報われる銘柄に投資している場合に限ることですが)。下がることもあるでしょうが、待っていればまた上がります。マーケットに居続けることが、もっとも簡単で、もっとも効率の良い投資方法です。

利益確定をしていると、困ることがあります。それは、マーケットに戻れなくなってしまうことです。

投資機会を失うことが最大のロス

たとえば、日経平均が12000円を突破したときに、利益確定の売りをしました。途中で売っているのですから、当然に12000円から下がったレベルでまたマーケットに戻ろうと考えています。思惑通り、11000円に下がったら余裕しゃくしゃくで買い戻すことができるでしょう。しかし、そんな心理でいるときに、日経平均が下がるどころかドンドン上昇してしまったら、人はどんな行動を取るでしょうか?

下がると思って売ったのですから、いつか下がるはずだと、下落を待ちつづけることになります。そのまま14000円まで上がってしまったら、いったん12000円で売った人が自分の後悔の痛みを解消して高い買い物をするのは至難のワザです。

かくして、せっかく上手くいっていた投資、申し分のないマーケット環境であっても、投資を再開できなくなってしまうのが、人間なのです。自分の目標を達成するまでは売らない、小さな利益確定で大きな利益を逃さない。これが多くの人に当てはまる投資の普遍的なポリシーです。

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