元気だけど子どもの顔色が悪い……貧血が原因のことも
子供の体調の良し悪しはわかりにくいもの。周りの家族や両親が日々気にかけてあげましょう
赤血球が何らかの原因で作られなくなったり、壊れやすくなったりすることで、赤血球が少なくなり、さらに赤血球の中のタンパク質であるヘモグロビンが少なくなることを「貧血」と言います。貧血はヘモグロビン10g/dl以下で診断されることが多いです。子供の貧血に関するチェックポイントやその種類について解説します。
子供の貧血チェックポイント……顔色、唇、皮膚の状態は?
貧血になると、赤血球が減り、体全体への酸素を運ぶ量が少なくなるために、様々な症状を起こします。以下の症状のうち1つでも当てはまるものがあれば、「貧血」の可能性があります。□ 色が白い、唇の色の赤みが薄い
□ 口の端が切れている
□ 髪の毛で枝毛が多い、抜け毛が多い
□ 舌の表面がツルツルしている
□ 偏食している(酸味が浸みるため、また、偏食の結果、鉄が不足するため)
□ 爪がスプーンのようにそりあがる
□ 爪が割れる
□ 皮膚がカサカサしていたり、張りが悪い
□ 走るのをすぐやめる
□ じっとしていることが多い
□ 息をしているのが、早い
□ アッカンベーをしたとき、目の結膜の赤みが薄い
□ 立っているとフラフラする
子供に多い貧血の種類……鉄欠乏貧血・溶血性貧血・再生不良貧血
子どもに多い貧血は、鉄欠乏貧血、溶血性貧血、再生不良貧血の3つです。以下で詳しく説明します。■赤血球を作る材料である鉄が不足する「鉄欠乏性貧血」
鉄欠乏性貧血は、赤血球の数とヘモグロビンの量が減り、赤血球の大きさは小さくなります。鉄を補充すれば、よくなる貧血で、比較的多く見られる貧血です。
■貧血症状に加え、黄疸がみられる「溶血性貧血」
溶血性貧血は、赤血球が破壊されるため、他の貧血と異なり、赤血球が壊れることで赤血球に含まれるビリルビンが血液中に増え、体が黄色くなる「黄疸」という症状が特徴的です。白目の部分が黄色であれば、肝炎か溶血性貧血が疑われます。また、脾臓と言う臓器で赤血球が壊されるため、脾臓が大きくなってしまいます。黄疸については、「新生児の黄疸の原因と治療」をあわせてご覧ください。
■赤血球を作れず、輸血が必要となる「再生不良性貧血」
再生不良性貧血は、赤血球を作る骨髄で、血液に含まれる細胞を作ることができなくなります。白血球や赤血球、血小板の数が少なくなってしまいます。原因は感染症や薬剤などさまざまです。赤血球を作ることができないため、輸血を必要とする貧血です。
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