預金・貯金/預金・貯金の基礎知識

復興特別所得税、預金利子への課税の仕組み

東日本大震災からの復興に役立てる目的で、2013年1月1日から25年間にわたり、所得に復興特別所得税が課税されます。もちろん預金の利子にも。いったい、どんな仕組みなのでしょうか?

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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東日本大震災からの復興に役立てる目的で、2013年1月1日から25年間にわたり、所得に復興特別所得税が課税されます。もちろん預金の利子にも。一体、どんな仕組みなのでしょうか?
 
復興特別所得税 預金 利子

東日本大震災からの復興のために、みんなで負担する復興特別所得税。預金の利子にかかる仕組みとは……?

     

預金の利子には税金がかかる

普段から意識している人は少ないと思いますが、預金の利子は「所得」とみなされて税金がかかります。所得税が15%、住民税が5%で合計20%。つまり、お金を預けて利子がついても、その利子のうち実際に受け取れる手取りは80%というわけです。

仮に1000円の利子がついたら、20%に当たる200円は税金として源泉徴収され、残り80%に当たる800円が手取り利子として受け取れます。
 

いくら預ければ1000円の利子がつく?

現在(2020年4月29日)の金利で、1000円の利子がつくには、都市銀行ならなんと5000万円程度、インターネット専業銀行なら100万~200万円程度、金利の高いインターネット支店なら40万円程度を預ける必要があります。

●都市銀行(みずほ銀行の例)
スーパー定期1年もの 金利は0.002%
5000万円×0.002%=1000円

●インターネット専業銀行(大和ネクスト銀行の例)
期間1年のネット定期 金利は0.1%(2020年5月1日より0.05%に改定予定)
100万円×0.1%=1000円

●地方銀行のインターネット支店(香川銀行セルフうどん支店の例)
超金利トッピング定期預金(期間1年) 金利は0.25%(1人100万円以内)
40万円×0.25%=1000円

※金利はいずれも2020年4月29日現在

この1000円の利子に対して、かかる税金を差し引いた手取りは800円のはずでした。ところが、復興特別所得税により、この手取りが800円未満に減ってしまいます。
 

税率は2.1%、復興税で利子の手取りが減る

復興特別所得税の税率は2.1%。所得税の税率に102.1%をかけて、合計税率を計算します。

預金の場合、利子にかかる税率は、所得税15%、住民税5%です。このうちの所得税15%の部分にかかってきますから、15%×102.1%=15.315%。

つまり、
(所得税+復興特別所得税)+住民税で、15.315%+5%=20.315%の税金が引かれることに。

先ほどの例に当てはめて計算してみましょう。
●1000円の利子に対する税額は、
  • 所得税(復興特別所得税との合計)は1000円×15.315%=153.15円 小数点以下を切り捨て153円が税額
  • 住民税は1000円×5%=50円
所得税(復興特別所得税との合計)153円+住民税50円=203円
よって手取りは1000円-203円=797円

800円から3円減って797円になるということです。

「まあ、3円なら……」と思いますか? 確かに、復興特別所得税の考え方は、広く浅くです。たくさんの人から少しずつ集めることで、1人当たりはあまり負担を感じないよう配慮しつつ、集まった税金を復興に役立てようということですね。給与からも復興税は引かれていますが、金額が大きくないので気が付かなかった方もいらっしゃるかもしれません。

とはいえ復興特別所得税は、預金の利子や、毎月の給与など、原則すべての所得にかかり、それが25年間続きますから、やはり納税者の負担は増えることになります。

収めた税金が、ちゃんと復興に使われていくのか、見守りながら、しっかりと家計管理を行いたいですね。

【関連記事】

関連サイト
大和ネクスト銀行
香川銀行セルフうどん支店

 
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