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ホワイトカラー、ブルーカラーは服の違い?給与は何が違う?
仕事内容や働き方で「ホワイトカラー」「ブルーカラー」と区別されることがあります。学校などではあまり使わないこれらの区分、いったい何なのでしょうか?ホワイトカラーはスーツにネクタイ、ワイシャツを着て事務所などで働く人。一方のブルーカラーは、作業着を着て工場などで働く人といわれています。カラーは襟のことで、どのような服を着て働くかによって区別された言葉です。
一般的には、ホワイトカラーは事務所などのオフィスでおこなう仕事、ブルーカラーは現場での肉体労働ととらえられ、ホワイトカラーのほうが高給というイメージがありますが、実際にはホワイトカラーとブルーカラーで給料はどのように変わるのでしょうか? 初任給や賃金で確認してみましょう。
高卒初任給ではホワイトカラーよりもブルーカラーが高額
【表1】 学歴別・職種別初任給水準(全産業) 大企業の学歴別、職種別の初任給平均額(単位:円)。全て、前年比増という結果に 「新規学卒者決定初任給調査結果(2018年3月卒)」日本経済団体連合会調査 ※大学院卒は修士卒
ここでは、高校卒の初任給の金額は事務系16万8392円、技術系17万292円、現業系16万9401円となっています。仮に事務系をホワイトカラー、現業系をブルーカラーとみると、高卒初任給ではホワイトカラーよりブルーカラーのほうが、高い結果になっています。
この経団連のデータは主に大企業の初任給結果です。では中小企業はどうなっているのでしょうか。
中小企業では入社直後はブルーカラーが高いがすぐに逆転
【表2】事務、生産職種の所定時間内モデル賃金(通勤手当を除く。単位:円)。この2職種の間で大学卒以外の現役世代には、特に目立った差はない(出典:「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」東京都産業労働局)
ここでは事務をホワイトカラーとして、生産をブルーカラーとして考え、ホワイトカラーとブルーカラーの賃金をみていきます。
高校卒20歳の賃金をみてみると、事務が18万6068円、生産が18万9012円と、2900円ほどブルーカラーの生産が高くなっています。60歳では事務40万7023円、生産38万7928円となっており、こちらはホワイトカラーの事務が1万9000円ほど高くなっています。高校卒では、入社直後の20歳前後はブルーカラーのほうが高いですが、直後にホワイトカラーのほうが高くなり、60歳にもなると1万9000円もの差が開いています。
高専・短大卒や専門学校卒はともに20歳はブルーカラーのほうが高いものの、30歳からは全てホワイトカラーが高額になっています。大学卒は全ての年齢で事務が高額になっており、50歳での差は5万5000円。ブルーカラーは入社直後の20歳あたりではホワイトカラーより高給というところです。
大企業の初任給では、高卒ブルーカラーのほうがホワイトカラーより若干高額でした。中小企業のモデル賃金でも、高卒、高専・短大卒、専門学校ともに、20歳ではブルーカラー生産が高いものの、それ以外は全てホワイトカラー事務のほうが高いという結果に。
ただ、高卒の給与差は、50歳で最大2万5000円。ホワイトカラー事務の方が圧倒的に高給と思われがちですが、思ったほどの差は出ていないともみえるのではないでしょうか?
どの職場でも通用する武器が大切
ホワイトカラーの仕事は働いている会社内のみで評価されることが多く、他の職場では通用しないこともあります。ブルーカラーの現場スキルは他の職場でも重宝され、転職しやすい場合もあります。ホワイトカラーは高給で安定した職種と思われていたこともありましたが、今の時代はそうとも言い切れません。大手メーカーが多数のホワイトカラーから希望退職を募ったということもありました。ホワイトカラー、ブルーカラーを問わずにいつまでも続けられる仕事というのは少なくなっています。どの職場でも通用する強い武器をもつことが重要だといえそうです。
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