スカイアクティブを搭載した新プレマシー
「スカイアクティブ」を引っさげたCX-5に続き、アテンザも好調なマツダ。今年1月末にミドルサイズミニバンであるプレマシーがマイナーチェンジを受けたので、その走りの印象を報告したい。
プレマシーはライバルのウィッシュやストリームよりもややワイドな全幅で、エクシーガやオデッセイよりは狭いというボディサイズで立ち位置が微妙なせいか、その完成度の高さの割に販売はぱっとしない。分かりやすく言えば「もっと売れていいはずのミニバン」というのが正直なところだ。
パワートレーンを一新
今回はスカイアクティブ技術を搭載したエンジンと6速ATの採用がニュースで、さらにサードシート下部のクロスメンバーフレームに軽量化技術である3次元熱間曲焼き入れ技術を投入し、従来と同等の剛性を確保しながら約50%の軽量化を実現しているという。
従来型からプレマシーの身上は、しっかりとしたハンドリングや必要十分なパワーなどで気持ちのいい走りを実現していたが、FF車のパワートレーンが高効率な直噴ガソリンである「SKYACTIV-G 2.0」と高効率6速ATである「SKYACTIV-DRIVE」に変わったことで、走りの味わいは一段と高まっている。
それは低速時から高速域でも印象は変わることなく、とくに驚くほどパワフルではないものの、エンジンのレスポンスが良好になったことでアクセルワークの微妙な操作で速度をより自在に変えられるようになり、どんな交通状況下でもストレスなく流れに乗れるようになった。業界用語ではリニアな走りというが、アクセル操作に過分に反応することなく、しかも望んだ加速を得られる。
ハンドリングも軽快かつ正確で、新たに装着されたダンロップ「エナセーブEC300」という15インチタイヤは、低燃費タイヤの割にグリップ力もまずまずで乗り心地も良好だ。
サードシート床下に採用された1500MPa級のクロスメンバーフレームによる走りの違いは感知できなかったが、2000km未満の新車同様の試乗車とはいえ両側スライドドアによるボディ剛性感の不足もほとんど感じられなかった。
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