住宅設計・間取り/キッチン・洗面・寝室・子供部屋の間取り

オープンキッチンはバックヤードで美しく(2ページ目)

オープンキッチンは整理整頓が大変、と思っていませんか? バックヤードを工夫することで、シンプルでいつも清潔なオープンキッチンが実現できます。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド


アイランドキッチンとリビングの絶妙な距離感

アイランド
独立したアイランドキッチン。背面に収納を備え、実用的な機能を高めた

オープンキッチンといっても、常にキッチンが丸見えはイヤ、という方も多いはず。L型配置を工夫することで、キッチンとリビングの間に距離感を保つことができます。

O邸リビング
リビングからの視線が気にならない配置
O邸のキッチンは、独立したアイランドタイプです。キッチン、ダイニング、リビングの配置は、L型になっています(O邸平面図参照)。リビングからの視線はキッチンには行きません。間仕切りやハッチではなく、視線の角度で自然に仕切っています。このバランスが絶妙です。

リビングからキッチンが丸見えになると、調理する側もされる側も落着かないことがあります。視線をずらした方が、良い関係が保てるケースが多いのです。
O邸平面図
O邸の平面図。これもL型のプラン。キッチンとリビングの関係が90度になっていることに注目

大型引戸でいっぺんに隠す

アイランド扉
収納はキッチンの背面にプランした。大型の3枚引戸を使っている。冷蔵庫は扉の後ろに内蔵
このキッチンのストレージは、背面の大型引戸の中にあります。冷蔵庫もここに内蔵されているので、すっきりと見えます。

冷蔵庫はデザインなどが頻繁に変るので、はじめはキッチンに合わせて選べても、買い換えのときは同じデザインのものがない事が大半です。引戸で隠してしまえば、デザインが変っても、キッチンの表情が保てます。ただし冷蔵庫の廃熱を逃がす工夫が必要です。

大型引戸は、普段は開けっ放しでもかまいません。必要な時だけ閉めればいいので便利です。キッチンの背面にあると、振返りながら使えるので(回転動線)、移動が少なく作業が楽です。

ちなみに回転動線とは、身体の向きを変えるだけで、物をとったり、調理が出来たりする動線のことです。コの字型やII型のキッチンで実現できます。平行移動する動線に比べ、足もとへの負担が少なく、作業が楽です。

カウンターが必要か? 見極めが大切

このプランではシンクの部分を利用して、小さなカウンターを設けています。アイランドキッチンのカウンターはぜひ欲しいものですが、はじめから使い道を考えましょう。キッチンのカウンターの高さは通常のテーブルよりも高いので、椅子はスツールタイプになります。

子供が坐るのは無理ですし、大人も長時間は坐れません。短時間の朝食や3時のお茶など、何に使うか、必要かどうかをよく検討しましょう。カウンターの代りに、普段使いの食器棚などを作った方が、便利な場合も多くあります。

オープンは好きだけど、手元だけでも隠したい、という方は次のページへどうぞ
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