住宅設計・間取り/キッチン・洗面・寝室・子供部屋の間取り

寝るだけの寝室を2倍、3倍に活用する

寝室といえば、ベッドとクローゼットがあるだけの、寝るためだけの部屋というのが常識でした。でもリラックスしながら快眠するための、アクティブな寝室もあるんです。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

ホテルライクな寝室で、寝不足スパイラルから抜けだそう!

ホテルライクなベッドルーム
ホテルのような寝室で、リラックスしながら快適な睡眠を。
(カンディハウス横浜アネックスのショールーム。ベッドはパラマウント)

いままでの寝室というと、起きたら出て行け、といわんばかりの殺風景な空間でした。しかしこれからの寝室は、第2のリビングとして、ゆったりとしたホテルライクな時間を過ごすための部屋に変化していきそうです。寝室の面積は平均で8~10畳ほどですが、その中で起きているのは、せいぜい30分位? これだけの面積を使っているのですから、もっと積極的に楽しみましょう。

厚生労働省の調査(平成12年)によると、約4分の1の方々が、朝起きても熟睡感がない、と訴えています。特に30代中盤から「なやみやストレスによる不眠」が急増します(平均約31%)。ストレス社会のなか、不眠の原因としていま注目されているのが、快適な睡眠に入るためのプロセスです。

早く寝なければ、と思いつつも、テレビを観たり、メールをチェックしたりするうちに、あっという間に1時、2時になってしまうことも多いはず。特に帰宅の遅くなった平日は、就寝前のリラックスタイムがなかなかとれません。昼間の状態を引きずってしまい、眠りに入るプロセスが乱れてしまうのです。

テレビを観ながらウトウト……それでいいんです

寝室
リビングの機能を寝室に持ち込んだ「リビング・ベッドルーム」
では短時間で脳をリラックスさせるにはどうしたらいいでしょうか。入浴後にテレビや音楽、読書をしながらリビングでウトウトという事はよくあります。リラックスして、自然な眠りに入った状態です。しかしリビングで寝るわけにはいきませんから、一度起きてから(起こされて)寝室に向かいます。

ところが、さあ寝ようと思ったとたんに寝付かれない、という経験はありませんか。リビングと寝室では室内の環境(温度や湿度、明るさ)が大きく違います。脳はそれを感知して、睡眠に入る状態から覚醒してしまうのです。快適な睡眠に入るためのせっかくのチャンスを逃してしまったわけです。

テレビ
こんな感じで映画を観ながら眠りにつけます
そこで今注目されているのが、リビング感覚の寝室、「リビング・ベッドルーム」です。外で働いている人にとって、特に平日、家で最も多くの時間を過ごすのは寝室です。それならば寝室を「平日のためのリビング」にしよう、というプランです。

具体的には、寝室にリビングの機能を持ち込みます。機能の中心になるのは、ソファとAVシステム、パソコンなどです。


ベッドは電動リクライニングがおすすめ

寝室にソファを持込むことはできません。しかしベッドをソファ代わりに使うことはできます。ホテルでシングルルームに泊まったとき、ベッドに腰掛けながらテレビを観る、というのはごく自然です。しかし背もたれがヘッドボードだと疲れます。そこで電動の起立式ベッドの登場です。起立式ベッドというと介護用のイメージがありますが、最近の製品はとても進化しています。

パラマウント
パラマウント製の起立式ベッド。堅さの違うクッションを入替えて、自分の体格に最適なマットレスを作れる
例えばパラマウント製の「INTIME」は、電動で頭部と脚元、角度、高さを別々に調整できます。枕元のコントローラーのボタンを押すだけなので簡単です。介護用起立ベッドで培ったノウハウが活かされています。さらに気に入ったポジションを登録できるメモリー機能も付いています。

ユニークなのは、マットレスのクッションが7分割されていること。堅さの違う3種のクッションを入れ替えることで、体格や体重にあった寝心地が得られます。この機構は、ベッドがスムーズに起きあがる(曲がる)ためにも役立っています。

次のページで、音や映像を楽しむための一歩先行くテクニックを紹介。
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