残念ながら完璧な家は建ちません
ここはこうすれば良かった、と思うのは当然です。家は完成してから成長しますから、徐々に直していきましょう。 |
新築ノイローゼにかかりやすいのはこの時期です。完璧な家を作りたい。そう思うのは当然です。しかし残念ながら、完璧な家はありません。最高でも8割程度です。どんなにいい家も、建主には不満があって当然です。昔からよくいわれるのは「3回目の新築で、やっと満足のいく家ができる」ということです。
ベストセラー『国家の品格』の著者、数学者藤原正彦さんは、なんと3回も設計者を変えました。そのたびに百万単位の設計料を支払いましたが、結局は正解だったそうです。これはかなり特殊な例ですが、満足のいく家を建てるためには、こうした無駄も必要なのです。
未体験の金額は正気を失わせる
私生活で最も大きな金額を扱うのが家づくりです。数千万円をどう使うかを、賢く考えなければなりません。しかし大半の建主は、冷静な判断が出来なくなります。未体験のことですから、仕方がないのです。それだけに、家づくりのパートナー選びが大切になります。工務店や設計者が組織する、家づくりの会に参加するのもよいでしょう(匠の会や東京の木で家を造る会など)。セミナーに参加したり、住宅を見学するなかで、作り手とだけでなく、建主同士の交流も生まれます。
同じ立場で、同じ悩みを話せる仲間ができると、気持ちもぐっと楽になります。どの家庭も、自分たちと似た悩みを抱えていることが分ります。住宅見学会で、既に家が完成した建主の話を聞くのも参考になります。ポイントはまず、夫婦だけの殻に閉じこもらないことです。
実は仮住まいも大切です
家を決めるのは夫婦です。知人や業者ではないことを、常に声にだして確認し合いましょう。 |
時間と資金計画にある程度の余裕がないと、仮住まいや引越しなどの部分に無理が生じます。他にも、いつまでに竣工すれば税制が有利とか、こうすると補助金が出るなど、いろいろな条件はありますが、こだわり過ぎると、全体を見失うことになりかねません。
夫と妻の互いの友人や縁者からアドバイスを受けることも多いでしょう。「あなたはこう言うけれど、あの人はこう言っていた」ということもありがちです。しかし、友人の意見は助言にすぎません。一番大切なのは夫婦の意志であることを、互いに確認し合いましょう。