秋が来て、充実した実りを得るために
葉山のホームシアターショップ「カデンツァ」。2階のシアタールーム。140インチの大画面が楽しめる、現在最高の機器が揃えられている。 |
前回は、新築が夫婦の危機につながる可能性についてレポートし、大きな反響を頂きました。今回は、定年後の生き方をどうするか、その成功例をご紹介します。
最も進化したインテリアビジネスの姿
3階の和室。ひと目では分らないが、和室で音楽を楽しむための機器が詰まっている |
実はカデンツァには、最も進化したインテリアビジネスの姿があります。インテリアやホームシアターに対してお客様が求めるのは、<物>としての商品ではありません。ゆったりと寛げる時間や、質の高い映画や音楽を楽しむ体験なのです。それを実現したショップは日本には少ないのですが、カデンツァはホームシアターというスタイルで、現実のものにしています。
「オープンしたての頃は、経済的にも仕事的にも大変だった。そしていまも大変です」と峰松さんはいいます。ホームシアターの仕事は、首都圏各地の現場をまわる日々が続きます。留守を守る奥様にも、休日はほとんどありません。でもお二人の人生はとても充足しているように思えます。
充実するほど、生活と仕事の境がなくなっていく
1階の広間でお客様を接客する。ホームバーがあり、著名人もときより訪れる。蓄音機やオルゴールなど、マニア心をくすぐるアイテムも揃えている |
3階のリビングダイニング。奥にはオープンキッチンがある。海を見ながらの食事は、とびきりの美味しさ |
仕事とプライベートを分けることはもちろん大切です。しかし自宅兼ショップを運営する峰松夫妻にとって、その境は非常にあいまいです。プライベートのダイニングキッチンも、なじみのお客様には開放し、食事を共にすることもあります。そこからは美しい葉山の海が望めます。
1階では、親交のあるミュージシャンを招いたミニコンサート(ハーモニカ奏者八木のぶおさんなど)も開かれています。また峰松さんは地元ラジオ局(湘南ビーチFM)のDJも担当するなど、地域と密着したコミュニティーがカデンツァの財産なのです。
生きることとビジネスが一体となった暮らしこそが、充実した大人のライフスタイルといえるのではないでしょうか。成熟したインテリアプランは、そこに暮らす家族のためだけでなく、社会に開かれた存在になることかもしれないと、今回の取材で痛感しました。
次のページで、大人の夢のかなえ方をレポート。