動線は出来るだけ簡単にしたい
前回の回転動線も、今回の直線動線も、大切なのはシンプルなことです。例えば、プラン図を見たときに、部屋から部屋へ移動する線を引いてみてください。くねくねした線や交差が多い線しか引けないときは、住みづらい家である確率が高いのです(必ずしもそうとは限りませんが)。今回ご紹介した直線的な家事動線のプランは、基本的にひとりの主婦が、効率よく家事をこなすことを第一に考えたプランです。つまり、子育てで忙しい主婦のためのプランといえます。確かに効率的ではありますが、これだけが正解とはいえません。
プランニングはあくまでケースバイケースです。家族構成や将来の展望によって、様々に変化します。プロはそれに応じたアイデアを提供しますが、基本的な部分はまず家族で話し合って決めることが大切です。
堂々巡りをさけるため、まずはゾーニングから始める
ゾーニングはとにかく大胆に、まずは絶対に必要な部屋から始め、家族の希望を入れ込んでいく |
まずは大きな紙を何枚か用意します。敷地が決まっていれば、簡単な家の形を描き、そこに必要な部屋を書き入れていきます。これをゾーニングといいます。
ゾーニングは家族みんなで行いましょう。限られた面積の中をどのように仕切っていけばいいか、大切にしたい場所はどこかが自然と分ってきます。つまりゾーニングは、プランニングの前段階で、家族全員が限られた条件を把握し、納得するための作業なのです。これをしないでプランニングをすすめると、優れたプランでも誰かに不満が残ります。
敷地がすでに決まっていて、更地になっている場合は、家族で敷地にでかけ、ゾーニングを元にイメージをつかむ事ができます。敷地の一角にヒモを張り、例えば6畳(3.6×2.7m)の部屋をひとつ作ってみると、敷地に対しての大体の部屋の広さが把握できます。思っていたよりも狭かったり、回りの環境と部屋が合わなかったり、いろいろな事が分ります。
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