とにかく忙しい主婦のための家事動線
家事動線の一例。ユーティリティとキッチン、バス・洗面を直線上に配置することで、家事の効率をあげている |
前回は、回転動線 について解説しました。今回は、仕事に育児に、とにかく忙しい方のために、効率的な家事動線をご案内します。
家事動線とは、調理や洗濯など家事をするときに移動する道筋です。これが効率的にプランされていれば、ストレス無く家事がはかどり、暮らしやすい家になります。
ポイントは、とにかく動線を短くすることです。ただし、狭くて動きづらいのはいけません。そこでおすすめしたいのは、家事動線を幅の広い「直線動線」にしたプランです。
直線上に水まわりを配置する
上の図は直線的な家事動線の一例です。ユーティリティとキッチン、バスを直線上に配置することで、効率よく家事を進められるように工夫しています。大切なのは、動線上にバリア(障害物)を置かないことです。特にキッチン回りは、収納に入りきらない物を床に置いたり、カラーボックスを置いたりしがちです。しかし動線上にバリアがあると、移動がスムーズにいかず、家事の効率が落ちます。大型の引き戸収納を作り、あらかじめたっぷりとした収納を確保する必要があります。収納が開き戸のばあい、動線の妨げなるので、開けたままでも邪魔にならない引き戸がおすすめです。
もう一つのポイントは、子供の様子がうかがえることです。小さな子供がいる場合、キッチンなど家事動線からリビングが見えるようにすると、子供をリビングで遊ばせておき、安心して家事を進められます。またキッチンへの入口を塞ぐだけで、子供を家事動線からガードできて安全です。
左右に勝手口を設けて開放的に
家事動線の左右には勝手口が設けてあります。普通勝手口は1カ所ですが、2カ所に設けることで、風通しもよくなり開放感が生まれます。一方は洗濯干しに、もう一方は生ゴミ出しにと使い分けることも出来ます。このプランの場合、基本的にキッチンはI型になります。家事動線の幅は最低でも90センチ。できれば120センチは欲しいところです。ただしあまり広いとかえって使いづらくなります。
また、水回りを集中して配置することで、給湯の配管を短くできるのもメリットです。配管を短くすると、その分施工費も下がります。捨て水を少なくして、水道代やガス・電気代の節約もできます。
次のページで、家族みんなが納得するプランニングを考えるコツをご紹介します。