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浴室のプライバシーは大丈夫?(2ページ目)

浴室は解放感あふれるプランにしたい。でもプライバシーも心配。浴室のプランによっては、プライバシーを守りつつ、解放感を味わうことも可能です。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

中庭を有効利用する

中庭
クローズな中庭をバスコートとして利用する
中庭があるプランの場合、中庭側に浴室の窓を付けると、プライバシーを守りながら開放感を楽しめます。スポーツ好きの家族の場合、外から浴室に出入りできるようにすれば、家の中に入らずに直接入浴できて便利です。

中庭を木製デッキやタイル貼りにすると、裸足のままで外に出られます。湯上がりにガーデンチェアで涼んだり、ホテルライクな暮らしが楽しめそうです。この場合、中庭の壁を高くしてプライバシーを守ります。ちなみにこうした中庭を「バスコート」といいます。

浴室に外から直接入れるようにした場合、浴室の防犯性が低くなるので、中庭に鍵のついたドアを設けるなどの工夫が必要です。

ハーフユニットという選択肢

一戸建ての住宅でも、最近はユニットバスの浴室が標準となっています。浴室に天然木やタイルを使いたい場合、ユニットバスではなかなか実現できません。しかし建設業者はユニットをすすめるケースが多いのです。その理由のひとつはメンテナンスの問題です。

在来工法(昔からの浴室の作り方)では、年数が経つと床の防水効果がなくなり、水漏れを生じることが多く発生します。1階の浴室なら問題ないように思えますが、土台などに水が染みこむと、腐ったり、白アリを呼ぶこともあります。

ユニットバスと在来工法の良いところを合わせ持つのが、ハーフユニットバスです。これは浴槽の高さまでのユニットバスで、壁や天井の仕上げは自由に選べます。開放的なガラスの壁を作れるなど、ユニットバスに比べ自由度が高く、防水工事がいらない分、在来工法よりも安全でコストが下がるケースもあります。

ちなみにTOTOの「ハーフバスルーム」 は、デザインがシンプルで、建築家にも人気です。

気持ちしだいで浴室はもっと楽しくなる

最近は、ユニットバスの仕様が豪華になり、価格も高いものが増えました。液晶テレビやミストサウナ、ジェットバスなど、気持ちをリラックスさせる機能が充実しています。浴室はただ入浴するだけでなく、ホームシアターなどと同じく、帰宅後の時間を楽しむ空間に変化しています。

浴室は裸で過ごす場所なので、肌に触れる(近い)素材には、やはり本物の材料を使いたいものです。人の肌は、ものから出る赤外線などを微細に感じているといわれます。天然木風やタイル風の素材よりも、一部でもいいから本物の木やタイル、石などを使った方が、気持ちをリラックスさせる効果は高まるのではないかと思います。

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