住宅設計・間取り/キッチン・洗面・寝室・子供部屋の間取り

夫婦のすれ違いは玄関からはじまる?

夫婦といっても人間同士。人と人が快適に暮らすには、適度な距離感が大切です。玄関などの狭い空間は要注意。知らず知らずに近付きすぎて、互いのストレスをためる事になりかねません。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

家庭内ストレスの原因は玄関から

玄関引き戸
ストレスの少ない広い玄関は夫婦円満の第一歩です。三協立山アルミ の玄関用引き戸アバンサールより

玄関や廊下、トイレ、洗面所などの狭い共有スペース。すれ違ったり、同時に使用することで動線が衝突しがちな場所です。こうしたスペースが家庭内ストレスの大きな原因となります。

間取りをプランするときは、どうしてもリビングやキッチンなどの動線に力を入れがちですが、小さなスペースの動線計画こそ大切です。動物は一定の距離に突然他者が入り込むと、本能的に攻撃モードに移行する性質があります。人間も決して例外ではありません。

特に玄関は大切です。動線が交わり合うような不快な経験が続くと、こっそりと鍵を開けて入ったり、無言で出かけてしまったりすることが増えてきます。これでは夫婦関係の崩壊を招きかねません。そこで今回は、玄関を快適な場所にすることで、すれ違いにならない夫婦の間取りについて考えてみましょう。

広い玄関を実現する多用途プラン

玄関椅子
BC工房 が提案するかわいい玄関椅子
玄関を出入りするだけのスペースととらえると、広い玄関を実現するのはなかなか難しいのが現状です。確かに玄関は家の顔といわれますが、機能と面積のバランスから広さを削られることの多い空間です。

昔の民家には玄関と呼ばれるスペースはなく、縁側や土間から出入りするのが一般的でした。縁側に近所の人が立ち寄って世間話をしたり、土間で料理や道具の手入れをしたり、多目的空間を出入り口と兼用していたのです。

玄関を広くするためには、多用途な使い方を復活させる必要があります。例えば玄関脇に衣裳用のクローゼットをつけるプランも増えています。特に花粉が気になる季節には、上着やズボンを玄関クローゼットに収納することで、花粉の進入をだいぶ防げます。冬はオーバーを脱いでから部屋に入れるのもいいですね。もちろん来客のカバンやコートを預かる場所としても活用できます。

その他、玄関椅子を設けることも大切です。立ったまま靴を履いたり脱いだりする面倒から解放されます。また買い物袋を置いたり、宅配便の受け渡しも楽になります。こうした機能を配置しながら、単に出入りするだけでなく、家族のコミュニケーションスペースとして活用できる玄関が必要です。

次のページで、便利な玄関引き戸を紹介します。
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