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敷金がハウスクリーニング代で全額消えた?(2ページ目)

賃貸のアパートやマンションを退去する際に問題となるのが、原状回復と敷金。ときには敷金が返ってこないばかりか、追加で請求されることすらあります! そんな場合、どう対処したらよいのでしょうか?

執筆者:北澤 香織

契約書確認は絶対に必要!

なんと、通常損耗の分まで費用を負担しなければならないことが!もうそうなったら、出来る限り掃除をして、通常損耗を防ぐしかない!?
最高裁判所は、通常損耗についても借主の負担とする契約について、そのような内容を持つ「特約を設けることは、契約自由の原則から認められる」と判示しました。

但し、この判決も、通常損耗を借主の費用負担とすることは、借主に不利な条件となるわけですから、「借主がこのことを明確に認識し、そのうえで契約をしたかどうか」と重要なポイントとしています。

とすると、賃貸借契約書に、「通常損耗にかかるハウスクリーニング代はすべて借主が負担する」というような条文があるにもかかわらず、その契約書に借主が署名・押印してしまえば、そのことを納得して契約をした、とみなされてしまうおそれがあるわけです。

賃貸借契約書は、字も小さいし、すべて不動産屋さん任せで、契約書に署名・捺印するときも、中身もろくに読まず、不動産屋さんの言うがままに、ということはありませんか?

「部屋を借りる」というのも、立派な法律的行為、少し面倒くさいかもしれないけれど、その内容はきちんとチェックすることが肝心です。

そして、契約書の中に、クロス張替え代等をすべて借主の負担にしているような条文があれば、その点を不動産屋さんに指摘して、大家さんと交渉してもらうのも1つの方法でしょう。


いかがでしたか? 今度不動産屋さんをさがすときには、敷金の部分についてどれだけ明確にしてくれるか、ということをポイントにしてみてはどうでしょうか。

次回の「敷金トラブル解決法シリーズ」では、原状回復と敷金について東京都が定めた「賃貸借トラブルガイドライン」をご紹介します。

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