媒介契約の内容もきちんと確認して、仲介手数料とローン条項は必ずチェック! |
媒介契約の意味
不動産を買う人が、宅建業者と媒介契約を結ぶ意味は、およそ、次のようなことになります。宅建業者は、買主に対して、売買契約の成立に向けて誠実に努力する義務を負い、その不動産についての重要事項を、買主にきちんと説明する。
買主は、売買契約が成立した場合には、媒介契約で約束していた仲介手数料を支払う。
買主からすれば、媒介契約とは、宅建業者のおかげで無事売買契約が成立したことに対する成功報酬を支払う契約、ということになるのです。
この成功報酬の金額は、実は宅建業法で定められていて、その上限の目安として、「売買金額の3%+6万円(消費税別途)」とされています。
たとえば、2000万円でマンションを購入した場合、仲介手数料として宅建業者に支払わなければならない上限の金額は、66万円、ということになるわけです。
最近、「仲介手数料半額!」などとうたっている宅建業者もありますが、だいたいこの上限の金額の半分になっている場合が多いようです。また、売買代金にかかわらず仲介手数料を一律の金額としている業者なども、最近は散見されます。
この媒介契約は、宅建業者との間で書面による契約書をかわすことになります。
最も重要なのは、「仲介手数料」の金額! 媒介契約書にどのように書かれているか、きちんとチェックしましょう。
特に、交渉に自信があって、手数料をまけてもらいたい人! この契約書を作る前までに交渉をして、契約書に記載しておくことが大切です。
こうして、売買契約が無事成立すれば、売買代金を売主に支払うときに、宅建業者に対しても仲介手数料を支払う、ということになるのが普通です。
せっかくの売買契約が解約になってしまったら?
さて、問題は、いったんは売買契約が成立したのに、いろいろな理由で契約が解除になってしまう場合。そんなとき、仲介手数料は払いっぱなしになってしまうのでしょうか?
基本的に、売買契約が、売主と買主の間の都合で解約になってしまった場合、買主の気がかわって、手付金を放棄して解約になってしまった場合は、仲介手数料を返してもらうことはできません。
これは、売買契約が、1度は無事に成立していて、その後の解約について、仲介業者には何の責任もないからです。
とすれば、仲介業者に何らかの責任がある場合、たとえば、買主に対する物件についての説明が不十分だったために、「そんなはずではなかった。」と考えて買主が契約を白紙に戻さざるを得なかった場合、そんなときには、仲介手数料の返還を求めることができます。
ローン条項つきの売買契約の場合?
さて、ローンで物件を購入したとき、その売買契約自体に「ローン条項」というのがついている場合があります。つまり、買主に予定していたローンがおりない場合は、売買契約自体が白紙に戻され、代金がすべて買主に返還される、という特約がついている場合です。
このようなとき、いったん支払った仲介手数料はどうなるのでしょうか?
これについては、原則的には「媒介契約書」の定めに従うことになります。
この点、国土交通省は、媒介契約書のモデルとし「標準媒介契約約款」というものを作成して、公開しています。
この約款では、ローン条項のついている売買契約が、ローンがおりないために解除された場合、仲介手数料はすべて返還しなければならない、という条文が入れられているのです。
ですから、宅建業者としても、この約款に従う形で仲介手数料は返還する扱いにしているところが多いようですね。
ただ、これはあくまでもモデルであって、すべての宅建業者がこの約款を取り入れているわけではない点に注意が必要です。
媒介契約書を十分チェック!
というわけで、媒介契約書を作成するときには、少なくとも「仲介手数料の金額」のチェック、そしてローン条項の売買の場合は、「仲介手数料が返還されるかどうか」のチェック、忘れずにしてくださいね。【関連情報】
東京都都市整備局の宅建業者検索情報
国土交通省による標準媒介契約約款