面積400平方km、高さ30mにもなる巨大カルスト地形
文字通り、無数の石峰が林のように連なる風景区「石林風景名勝区」。長い年月をかけ、大地が雨水などに浸食されてできたという奇景が広がります。「中国南方カルスト」の一部として世界遺産に登録されている景勝地です。「カルスト」とは、水に溶けやすい石灰質の大地が、長い年月をかけ、雨水や地下水などに浸食されてできる地形のこと。日本では山口県の秋吉台などが有名です。
ただし、「石林風景名勝区」には高さ30mにもなる石峰が集中しており、秋吉台とはずいぶんイメージが異なります。「石林風景名勝区」だけでも面積はおよそ400平方kmにもなります。雲南省以外にも、貴州省の茘波県や重慶市の武隆県にまたがって、壮大な奇景が広がるのが「中国南方カルスト」なのです。
「石林風景名勝区」は大小石林、乃古石林、大畳水、長湖、月湖、芝雲洞、奇風洞という7つのエリアに分かれ、中でも観光の中心は大石林と小石林。お互いに隣り合うこの2つのエリアに、高さ30mほどの石峰が無数に連なっています。
とくに急峻な石峰が密集する大石林には、高さが40mになる岩も。そのほかにも大石林には二羽の鳥がつつきあっているような「双鳥渡食」、象の姿をした「象踞石台」といった見どころが豊富。石林が見渡せる展望台もあります。
小石林は、大石林ほど険しい風景ではありませんが、この地方に伝わる伝説の美女「アシマ(阿詩瑪)」の姿をした有名な巨石があります。そのすらりとした姿は一見の価値あり!
■石林風景名勝区
所在地:石林イ族自治県(雲南省の省都、昆明から南東へ約100km)
アクセス:昆明東部バスターミナルより石林行きのバスに乗る
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