碁盤の目に区画された美しい町並み
12億を超える人口を抱えるインド。大勢の人々や乗り物に混じって牛が悠々と闊歩していたり、まさしく混沌という形容が似合う国ですが、「チャンディーガル」はそのイメージを覆す機能的な町です。スイス人建築家、ル・コルビジェが造成計画を手がけたことで世界的に有名な「チャンディーガル」。インド北部にあるこの都市には、京都と同じく碁盤の目のように大通りが走っており、その大通りに沿って区画されています。区画はセクターと呼ばれ、フランスはパリの1区、2区…のようにセクター1、セクター2…と、番号で呼ばれます。その整然としたさまは、他のインドの町とはずいぶん趣が異なるもの。
とにかく美しく機能的の町
インドの強い日差しを考慮し、広々とした大通りには街路樹がたっぷり。木陰が豊富で、インドの路上にはあたりまえの牛も少なめ。官公庁街をはじめ、町には打ちっぱなしコンクリートの幾何学的な建築物が点在。また1つのセクター内で生活が事足りるように、住居や職場、娯楽施設をバランスよく集めているとか。とにかくモダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエらしく機能的に、そして美しくまとめられた都市です。それだけに少々人間味に欠けた印象で、特に中心部などは「チャイやサモサなどの軽食を売る屋台はないの?」 なんて気になりますが、探せば細い路地にちゃんとあります。そんなモダニズムとインドらしさの共存も興味深いこの町、 最後に見どころを2つ紹介しておきます!
コルビュジエ建築
とくに官公庁街であるセクター1には、彼が設計した高等裁判所、議事堂、合同庁舎が並んでいます。なかでも、高等裁判所のそばにそびえるオブジェ「オープンハンド」は必見。高さ約26メートルもある街のシンボルです。またセクター10にある市立博物館には、チャンディーガル設計に関する資料が充実しています。ロックガーデン(セクター1)
州の道路監視官だったネック・チャンド氏が、「チャンディーガル」建設で大量に生まれた廃材を利用して作りはじめ、現在も制作中という庭園。迷路のような園内に、割れたコンクリートや皿、石などを集めて作った人や動物のオブジェを展示しています。ネック・チャンド氏は今やアウトサイダーアーティストの1人として、世界のアートシーンで有名な存在です。■チャンディーガル
住所:Chandigarh,India
TEL:+91-172-2740740(Administrator)
URL:chandigarh.gov.in/
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