ネパール最大のヒンドゥー教寺院
「パシュパティナート」
破壊と創造の神、シヴァを祀る寺院のなかでも、インドを含め重要な地位を占めるパシュパティナート。この世界遺産の寺院は、安宿が多数あるタメル街から、約4キロ程度の距離にあります。地図を片手に歩けば、途中途中で、外国人向けの街とは違った、ネパールの普通の暮らしをみることができます。
タクシーで行く場合、料金は300円程度。タメルからだと、外国人料金を提示されるかもしれませんが、がんばって交渉しましょう。
参道を下った奥にチケットカウンターがあり、料金は500円程度。これは外国人のみ払うことになります。寺院は丘の上に位置しており、東側には誰もいないゲートがあります。そちらから入ってしまえば、料金は払わなくて済むと思います。
チケットを買うと、すかさずガイドが寄ってきて、いきなり英語での解説が始まります。値段はガイドにより違うかもしれませんが、500円程度。金額の提示は最初にしてきませんので、必要ない場合は、すぐに断りましょう。
寺院の観光の目玉は「火葬」
敷地内には、古いヒンドゥー教の建物が建ち並び、シヴァの乗り物、金の牛の像などの興味深いものもあります。しかし、この寺院の目玉は、火葬の様子を見学できることです。寺院内を流れるバグマティ川の両岸は、コンクリートで固められ、北側にはいくつもの火葬場があり、煙があたりに立ちこめています。火葬場といっても、2メートル程度の台がいくつも造られ、そのうえに木が組まれて、その中で遺体が焼かれているのです。
火葬場の西側は普通の人々の火葬場で、火葬代は5000円ほど。橋を挟んだ東側は、「重要な人が焼かれる」とのことで、料金も倍するとか。焼き場も一ヶ所しかありません。この時はちょうどお別れの儀式のようなものがおこなわれており、白い布にくるまれ、橙色の花に囲まれたご遺体が、運ばれていくところでした。
全体として悲しみにつつまれた雰囲気はなく、遺族でもなんでもないネパール人が、お友達や家族で観光に来ては、火葬の様子を見学しているという、日本の感覚からすると不謹慎な状況が、当たり前のように行われています。
撮影も問題がなく、皆パシャパシャとシャッターを押しています。あらためて遠くへ来たなあ、という感慨が沸きます。聞くと見るとでは大違い、外国人向けの「ありきたりな観光」に飽きたら、この寺院を訪れてみてはいかがでしょうか。
※上記データは記事公開時点のものです。