手作りのレースの繊細さと美しさに目を見張る
中世に毛織物などでばく大な富を得たフランドルは、あまり日本では知られていませんが、高級なレースでとても有名です。
豪奢な王侯貴族の衣装に欠かせなかったレースは、女性の内職で発達したのですが、繊細な芸術品といえます。
ベルギーレースは針で編まずに、ボビンを組み合わせて織るように作るそうで、ショップの後ろの工房兼教室を見せてもらったのですが、根気がいりそうな作業です。
訪れたお店のひとつで、アンティークのウエディングドレスが飾ってあったので、「見本ですか?」と聞いたら、富裕な顧客の一人に代々伝わるもので、孫娘が結婚が決まったので、少しメンテナンスをするので預かっているとおっしゃってました。色はもちろん少しはちみつ色になっていましたが、目かびっくりするぐらい細かくて、今ではこんなものは作れない、値段もつけられない、と言っておられました。欧州の古い名家ではウエディングドレスを代々引き継ぐ伝統がある、とそこで初めて聞きました。
アンティークレースは絵画と同じように、価値があるとかで額装して売っていましたが、結構何万円もするようなものでした。
今では大量生産の機械織りがブラッセルあたりのお土産屋さんにあふれていますが、手作りのレースの繊細さと美しさにはかないません。
ブルージュや、ベルギーの地方都市に行かれた時に、工房などで手作りレースを購入されることをお勧めします。結婚される方へのプレゼントにステキだと思います。
私が感じがいいなと思ったショップは、ブルージュの「Rosaline」というお店でした。機会があればぜひのぞいてみてください。
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