盆栽が身近にある暮らしはどんな毎日になるのか、想像されたことはありますか? 初めて盆栽を育ててみようと思われる方は、どんな場所に盆栽を置いて育てればよいのか、どのくらい水をやれば良いのか、肥料は必要なのかなど、イメージしにくいことが沢山あると思いますので、毎回項目ごとにご紹介していきたいと思います。
まずは「水やり」。何といっても、植物達に欠かせないものは光と水です! 今回は日々のお手入れの中から、大切な水やりについて、使う道具ややり方、水やりを少しでも楽しむためのポイントをご紹介します。
水やりに使う道具
水鉢に渡したイカダにジョウロを置いています。
盆栽は鉢が小さいので、霧吹きで水をやるイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、これは大失敗の元。霧吹きでやってはいけないんだということを始めに申し上げておきます。
ではどんな道具を使うのかといいますと、「ハス口のついたジョウロ」です。ハス口というのはジョウロの先端に蓮の実の形に似た口がついていて、水がシャワー状にでるタイプのジョウロのことです。
また、水やり用の水についてご質問をいただくことがありますが、水道水をそのままやっても差し支えありませんが、できれば一晩くみおいた水の方が塩素が抜け、植物にやさしい水になります。盆栽を楽しんでいらっしゃる方は盆栽を置く棚やその周辺のエクステリアにもこっていらっしゃる方が多いので、陶器製のお洒落な水鉢に水道水をためて、その水を使うと見た目にも盆栽にもやさしい習慣になります。
水をやるタイミング
表面の土が白く乾燥していたら水のやり時
盆栽は鉢の中の土に根を張り生活していますが、鉢が小さい分乾きが予想よりも早いことが多いもの。例えば地面に根を張る植物は地中深くに根をはって水を得られますが、盆栽は育てる私達が水をやらないと鉢の中の土がカラカラになってしまいます。ですから、一日に一回は水が乾いていないか盆栽の顔を見に行きましょう。
コケも写真のように葉が細く乾燥してきたら水のやり時です
タイミングは朝が理想です。なぜなら光合成は午前中の方が盛んなので、その時に水切れしていると植物に良くないからです。もう一つ朝がおすすめな理由は、水やりを忘れないリズムを作れるからです。何かと忙しい朝時間ですが、朝起きて自分の喉も乾いている時に、「あ、盆栽達も喉が渇いているはず」と盆栽棚を覗いてあげてください。ご自分もコップ一杯の水を飲みながらでも歯磨きしながらでも結構です。朝に植物を見るって、精神的にもおちついて、清々しく一日を迎えられますよ。