視覚以外で料理を味わう『ウンジヒト・バー』
大変ユニークな、内部が一筋の光も射さない真っ暗闇のレストラン。嘘でも冗談でもなく、漆黒の空間がどこまでも広がっていて、どれだけ目を凝らしても、どれほど時間が経っても目が慣れることはなく、何一つ見えません。料理どころか周りの人間や店のスタッフ、自分が座っているテーブルや椅子、果ては自分自身すら見えない真の暗闇です。
そんな状態でどうやって食べるかというと、当然手探りでしかなく、テーブル上にセッティングされているカトラリーやグラスは総て注意深く手を這わせて確認。
そして料理が運ばれてきたら、まず手探りでお皿の位置をチェックし、視覚以外の感覚をフル活用して食べます。もちろん自分がどんな料理を食べているかなんてわからないし、完食したかすら不明。
ただ味から推測したところ、タイ風創作料理です。レストラン内部の撮影は禁止で、料理の写真がないのはそのため。
特殊なコンセプトのレストランなので、事前予約が必須でメニューもコース料理のみ。例えテーブル上にメニューが置いてあってもどうせ読めないですからね。
バー・スペースからレストラン内のテーブルまではスタッフが案内してくれます。実はレストランで働いているスタッフは全員目が不自由な人たちで、このウンジヒト・バーは健常者に目が見えないというのはどういうことかを知ってもらうことが目的。
面白くてユニークで楽しみながら、目が不自由な人たちへの理解も深まる、素敵なレストランです。
■ウンジヒト・バー
・住所:Gormannstraße 14, 10119 Berlin
・電話:+49 (0)30 2434 2500
・営業時間:
【日~木】18:00~25:00、【金・土】17:00~25:00
・定休日:12月24日
・URL:http://www.unsicht-bar.de/