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照度だけでは測れない 空間の明るさ感とは?(2ページ目)

明るさを表わす単位として、照度(ルクス)がありますが、印象として「明るい」、「暗い」と感じるのは、壁・天井・色などの影響も大きく、照度だけで一概に明るさを測ることはできません。今回は、この問題を解決するためにパナソニック株式会社で研究開発された指標「Feu(フー)」をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド


明るさ感が高いと雰囲気が良い? 

Fue9.5 平均床面照度415lx

図3.Feu9.5 平均床面照度415lxの空間

住宅照明など小規模な空間でも、壁面や天井面の明るさを考慮して設計することが大切で、シミュレーションを行わない場合では、照明手法や配光データ、器具の種類から明るさ感を予測します。

例えば、同じ光源のペンダントでも、天井面にも光が広がるタイプと、下面だけに光が広がるタイプを比較すると、前者の方が明るさ感は高いですが、後者の方がテーブル面の照度は高いということになります。

 

Fue12.5 平均床面照度290lx

図4.Feu12.5 平均床面照度290lxの空間

同様に、同じ光束(光の量=lm)のダウンライトでも、配光が広いタイプ(壁にも光が広がる)か、配光が狭いタイプ(床面が明るくなる)かでも異なり、また、図3、4のように配灯する位置によっても印象が変わります。

ただ、ここで注意したいのが、「明るさ感が高い=良い雰囲気」という意味ではないことです。夜間のリビングや寝室など落ち着いた暗さや陰影が心地よい場所も少なくありません。また、照明がつくる雰囲気とは、色温度、演色性、器具のデザインなどトータルで考える必要があります。

明るさ感を意識し省エネを実現 

「明るさ感」を設計に用いるメリットとして、効率よく照明し省エネになるという点も挙げられます。現在は、必要以上に明るい場所も多いですが、その原因として、「暗いか心配だから明るめにする」ということが考えられます。また、床面は十分明るいが、雰囲気が陰気という残念な例もあります。設計段階で、照度だけでなく、明るさ感を確認することで、適切な明るさや照明手法の検討に役立ちます。

パナソニック株式会社では、前述の「Feu(フ―)」以外にも、「V(ヴィー)」という指標も開発されています。「Feu」は、主に屋内のような比較的明るい機能的な空間が対象で、屋外のような比較的暗い情緒的な空間では、「Feu」と光のメリハリ度の指標「V」を組み合わせて、「落ち着き」「賑わい」の雰囲気を表現するそうです。

※「Feu(フ―)」、「V(ヴィー)」の指標については、詳しくは、パナソニック株式会社のWebサイトをご覧下さい。

図3-4:パナソニック株式会社提供

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