照明・LED/照明・LED関連情報

照度だけでは測れない 空間の明るさ感とは?

明るさを表わす単位として、照度(ルクス)がありますが、印象として「明るい」、「暗い」と感じるのは、壁・天井・色などの影響も大きく、照度だけで一概に明るさを測ることはできません。今回は、この問題を解決するためにパナソニック株式会社で研究開発された指標「Feu(フー)」をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

空間の明るさを表わす新指標 

Fue6 平均床面照度190lx

図1.Feu6 平均床面照度190lxの空間

明るさを表わす単位として、照度(lx:ルクス)がありますが、照度とは、光が照射される面の明るさを表しています。JISの照度基準を初め、照明計画を行う時は、床面又は作業面の明るさを基準に考えることが多いですが、印象として、「明るい」、「暗い」と感じるのは、壁面や天井の明るさ、仕上げの色の影響も大きく、照度だけで、一概に明るさを測ることはできません。

この問題を解決するために、照明メーカーで独自の指標を設け、空間の明るさ感を表現するようになっています。その中で今回は、パナソニック株式会社で研究開発された指標「Feu(フー)」をご紹介します。

 

Fue10 平均床面照度120lx

図2.Feu10 平均床面照度120lxの空間

「Feu」は天井・壁・床全体から目に入る明るさを総合的にとらえて、空間の明るさ感を客観的に数値化しています。例えば、ダウンライトで床面を照明している図1はFeu6、アッパーライトで天井を照明している図2はFeu10です。床面照度は、図1が平均190ルクス、図2が120ルクスですが、印象としては図2の方が明るく見えることがわかります。

現在では、照明効果と照度をCGシミュレーションで確認することも多いですが、明るさ感の指標を提示することで、共通の理解が得やすくなるそうです。また、実際の空間では、CCDカメラを用いた専用測定器によって測定も可能です。

図1-2:パナソニック株式会社提供

次のページでは、「明るさ感が高いと雰囲気が良い?」「明るさ感を意識し省エネを実現」についてご紹介します。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます