行政書士試験/試験対策・勉強本の選び方

平成25年行政書士試験の傾向と対策を考える 【前編】(2ページ目)

現役予備校講師が平成24年本試験から、平成25年行政書士試験の傾向と対策を考えます。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

2. 基礎法学

《傾向》
これまでの突飛な問題(例えば、平成21年問題2「法テラス」)や細かい知識を要する問題(例えば、平成18年問題2「外国人に関する法適用」)からすると、平成23年度といい、平成24年度といい、出題が落ち着いてきた傾向があります。特に、平成24年度の問題は、過去問の焼き直しレベルという印象を受けます。

《対策》
平成25年度にこの傾向が大幅に変更されることはないように思います。「基礎法学」という名に則した出題、過去問を前提としつつ法律・条文・判例などに関する基礎的な知識やその応用、例えば、法令用語の応用(平成22年問題1)などのような問題が主力になっていくかもしれません。また、裁判制度(平成23年問題2)などの法制度についても出題が続くと思います。一方で、過去問を離れた出題と言える、時事的問題(平成18年問題2「外国人に関する法適用」、平成21年問題2「法テラス」)などテーマ性を持った出題も時折顔を出すでしょう。

時事的要素の分野を予想することは可能ですが、肢の選択肢を全部予想することは不可能です。ですから、時事的問題についてあまり気にする必要はありません。平成24年度の問題のように、過去問や他の国家試験の焼き直しで処理できる問題が主力になると思いますので、過去問の分析を行って勉強していけば、一問は確実にとれる科目になると思います。

なお、暗記中心の勉強になると思いますが、「又は」「及び」などの法令用語などは、平成22年問題1のように「あてはめ問題」も出ますので、単純な暗記の勉強に陥らないように心掛けてください。

3. 憲法

《傾向》
憲法は実力を発揮しにくい科目です。年度により問題の難易度が上下し(平成22年度は難しく、平成24年度は易しい)、現場思考やユニークな出題がされます(平成21年問題3、平成22年問題7、平成24年問題3など)。

平成24年度は、現場思考の問題である問題3を除けば、易しい問題が出題されました。少し気になる傾向として、判例を細かく問う問題、これが少し難しい部類に属するのですが、平成23年問題3、平成24年問題7と続きました。この傾向が今後続くかが気になります。

《対策》
平成25年度も「人権判例、統治条文」という国家試験憲法のスローガンが、崩れることはないでしょう。行政書士試験は、階層化されて他の国家試験に歩み寄りをみせていくと思います。その結果、ユニークな問題は消えていくでしょう。そうすると悩みの種は、現場思考の問題です。

現場思考の問題は、「対になるような憲法の基礎概念」からの出題が多いので、ある程度予測はつきます。しかし、確実に解答できるかというと難しいのが実情です。そこで、憲法では満点を狙わずに、教材・過去問をしっかりと勉強して3~4問正解を目指すべきです。独学ないし今ひとつ伸び悩んでいる方は、条文の素読や暗記をしっかりとすることや、判例の結論・判断基準・根拠を他の判例と比較しながらしっかりと押さえること大切です。

なお、当該記述は、私の個人的意見であり、所属する予備校などとは一切関係がないことをご了承下 さい。
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