注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

住宅に使われる自然素材の利点と注意点(2ページ目)

現代のほとんどの住まいには、少なからず化学物質が使用されています。その化学物質が人体に及ぼす影響が問題となっていることから工業製品ではなく自然素材そのものが見直されています。ここではその自然素材について、その利点と注意点をお話します。

原田 正史

執筆者:原田 正史

思いやりの家づくりガイド


石の利点と注意点

石は、傷が付きづらく変形しない硬さがあり、熱や紫外線にも強く、自然にできた色合いが美しいという利点があります。

ただ注意しなければいけないのが、大理石です。優しい色合いが好まれ屋外で使用されている例も見かけますが、大理石は二酸化炭素を含む雨に溶けやすいのと酸性雨にも弱いので、屋外で使用する時は注意が必要です。

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屋外の壁で大理石を使用した例


また、いくら強いといっても自然素材ですので、水やコーヒー、お醤油などが染み込んで、色が変わるということもあります。万が一こぼした場合などは長期間放置せずに、素早くお手入れすることも大事です。

土の利点と注意点

土は、もっとも古くから建物へ利用されてきました。それは竪穴式住居であったり、土壁であったり、建築とは切り離せない素材でした。

それは土の利点の耐火性・断熱性を利用したものです。火事が近くで起こっても、土壁でできた蔵は、燃えず熱も上がらず、お宝が守れたのです。

注意点としては、本格的な土壁はコストが高いということです。土壁を造りあげるまでの工程はいくつもあり、手間と日数を多く必要とするのでコストも高く、需要が少なく、今では職人も少なくなっているためです。
 

草の利点と注意点

草が建築材料として使われているのは、畳に使われているイグサとわら、そして床材として利用されている麻やココヤシが主です。

利点としては、肌触りや通気性、消臭効果もあるので人間環境にとって親しみやすい材料と言えます。

ただ注意点として気を付けなければいけないのは、昔ながらの“わら”だけでできた“わら床”では、畳に湿度があるとダニが発生するということ。お布団は敷きっぱなしにしないで、毎日あげて乾燥させる必要があります。また晴れた日には畳を起こして、裏側からも乾燥させるといいです。
 

タイルの利点と注意点

タイルの利点は、自然素材でありながら外部用も内部用もさまざまなデザインがあるということ。しかも耐久性があるので建物の壁に使うと、建物の保護もできて長持ちします。

注意点としては、水を吸収しやすいタイルを屋外に使うと、凍結で割れたり、乾燥しない状況が続くとカビが生えてきたりします。またタイル目地も汚れたりカビが生えやすいので、注意が必要です。

以上が主な自然素材の特長です。

いかがでしょうか。これらをふまえて自然素材を上手に選びましょう。
 

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