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江戸のシンプルライフを知る「えどはく」(5ページ目)

自然エネルギーだけを使ってシンプルに暮らしつつ、人生を思うさま楽しんだ江戸人の息遣いを、あの博物館に探しに行きませんか?

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド


なんでもリサイクル

大量生産とはほど遠い時代ですから、「ちょっと壊れたからポイ」「一度使っただけで捨てる」などは考えられません。一度手に入れたものは手入れしながら大事に使い、何度も修理を重ねて、どうしても使えなくなったとしても、ちゃんと引き取る回収業者がいました。桶、傘、履物、あらゆるモノの修理職人が、道具を肩に町を流していたので、気軽に修理ができました。度重なるリサイクルの末、とうとうお役御免となった時は、かまどに入れて燃料に。その灰をまた買い入れる業者がいて、それは農村に運ばれ、畑の土壌改良用肥料となったのです。


究極のリサイクル

肥桶

肥桶。「中味」が入った状態で26キロ。ぜひ背負ってみよう

百万都市である江戸では、本来なら大問題であるはずの屎尿処理でしたが、それは農業と結びついて、実に合理的に解決されていました。近在の農民であれば、江戸に野菜を運んできた帰りに、長屋の共同便所の屎尿をもらい受け、代わりに野菜や現金を置いていく「下肥買い」は盛んで、遠方の農村であっても、専門業者が水運により江戸から買い付けた人糞を肥料として農地を肥やし、農作物の再生産に貢献したのです。お陰で、江戸の町は清潔に保たれ、河川も汚染されることがありませんでした。

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