棺は特注、霊柩車はロングサイズのリムジン
大鵬親方は身長187cmという大柄な方だったため、棺は特注の大型サイズ。愛用していたツゲの櫛、9人のお孫さんからの手紙、白に紺色で「大鵬」と書かれた染め抜きのガーゼのハンカチ、直筆「夢」の字が入ったバスタオルが納められたそうです。棺が大型なら霊柩車もロングサイズ。キャデラックリムジンで、部屋や両国国技館などをまわり、港区から荒川区の火葬場・町屋斎場へ向かいます。
ファンを大切にしていた大鵬親方。場内の一角には大型テントが設置され、一般の方もお別れができるように祭壇と焼香所が設けられました。出棺の際には「大鵬!」とファンの方からの声が響き渡ります。相撲甚句の調べとともに、青山葬儀所を後にしました。
会葬礼状には直筆の文字とメッセージ、そして星取表
最近は、会葬礼状に「その人らしさ」を込めて作る人が増えてきましたが、大鵬親方の会葬礼状はフォトブックを思わせる素敵な御礼状。蛇腹折りの表面には、思い出の写真や「忍」と書かれた筆文字と、こんなメッセージが綴られていました。
蛇腹折りの会葬礼状の表紙は「第四十八代横綱 大鵬を偲んで」
『心』の上に『刃』を載せて生きて行く。
必至に生きてきた私の人生を
この一文字が表している。
『夢』は、忍び続けた人生の末に訪れるかどうか。
そうじゃないかねぇ。
会葬礼状の裏面は「夢」という直筆の文字と星取表