間取りは子どもの心象風景をつくる
子どもの頃の住まいの記憶は一生残るものです。いくら機能的に優れていても、おもしろみに欠ける住まいでは子どもの心に残ってはいきません。もちろん基本は家族の関係が一番重要ですが、家族の関係も住まいの仕掛けを通して思い出されるものです。変化のあるワクワク感のある間取りこそ子どもたちの好奇心を促し、心の成長を図ってくれます。そんな住まいづくりができれば、家族はもちろん子どもにとっても大きな財産になるはずです。子ども期の環境がなぜ大切か
子ども期の特徴は、見るもの・聞くもの・触るものなど、経験したことを脳が記憶して、情報を整理しながら反復学習していきます。その中でも住まいで過ごす時間は長いので、大きな影響力を与えるのです。佐川旭著『最高の住まいをつくる「間取り」の教科書』より
見守られているという距離感をつくる
子どもは特に小学校の低学年あたりですと親に見守られているという安心感が大切になります。仮に上階に子ども部屋がある場合は吹抜けなどを設け、リビングやダイニングとつなげて会話ができるようにします。その際、開口部にも工夫をし、引戸や開き窓にすれば、心理的な距離感の演出も図ることができます。兄弟それぞれの子ども部屋はきちんと区切っても、上部にあるロフトは一室でつながっているなどの工夫も楽しそうです。兄弟の共有する時間がロフトの中でつくれ、ワクワク感が演出できそうですね。