今回は、そういった悩みを抱えている保護者のみなさんに、なるべくシンプルに「こどもに幼児期に何をさせるべきか」についてご紹介できればと思います。
<目次>
幼児期に必要なこと! 幼児期の子供に育てたい能力とは?
幼児期(ここでは5歳までを指すこととします。)に育てたい能力は、こどもが本格的な教育を効率的に受けられるための「土台」です。「土台」とは、思考力・言語能力・運動能力・芸術(音楽・色彩)能力などの基礎のことです。「土台」(基礎)がしっかりしていないと頑丈な家が建たないように、人間も「土台」がしっかりしていないと、本格的な教育を受けたとしても、それを身に付け、活かすことが難しくなってきます。例えば、音の認識能力の育成は、5歳ごろを過ぎてしまうと難しくなると言われています。幼児期を過ぎてから英語を勉強しはじめた人は、英語のRとLの発音の聞き分けが出来ませんが、幼児期にネイティブの英語に触れていた人は、それを当たり前に聞き分けます。
つまり、幼児期にすべきことは、幼児期にしか育たない「土台」をしっかりと作り上げることです。過剰に先取り学習をさせたり、無理矢理知識を詰め込む必要はありません。
幼児期に取り組むべき経験・子供に体験させるべきことは?
では、具体的に、幼児期にはどんなことに取り組むべきでしょうか?それは、「五感を通して色々なことを体感させる」ことです。脳の神経細胞は、脳に良性の刺激を与えることにより、ネットワーク化されますが、それも幼児期まで。神経ネットワークに使われなかった神経細胞は、それ以降不必要なものとして死滅してしまうそうです。より多くの神経細胞を維持するためには、「五感を通して色々なことを経験させること」が大切です。必ずしも「これが良い!」というものは無いので、様々なことを実感させれば良いと思います。そのため、ここでは、注意点を中心にお話します。
- 思考力(抽象的・論理的に考える力)
- 言語能力
- 運動能力
- 音や色に対する能力
子供がその体験を嫌いになってからだと大変
ここでは、異なる視点から幼児教育についてお話します。これは私の塾の子供たちを見ていて感じることですが、勉強が苦手な子の問題は、能力的なことよりも勉強が「嫌い」であることです。「嫌い」なものを「好き」にさせるには、相当な労力が必要です。その反面幼児期から通っている子供は、勉強を遊びの延長(むしろ遊びと変わらない)として考えている子が多いので、小学校に進学しても、勉強が嫌いにならない子供が多いです。
「子供にいずれ時期が来たらさせよう」と思っていることがある方は、是非嫌いになる前に、幼児期から取り組ませてください。
子供に「満遍なく触れさせる」それで十分
幼児教室や保育園・幼稚園などで他の保護者や子供と接すると、「うちの子は○○ちゃんより勉強が遅れてるわ。」など比較をしてしまいがちだと思います。しかし、それは今時点での話であって、周りより勉強が出来るからと言って子供が幸せになれるとは限りません。親の子供に対する教育のゴールは「子供が大人になったとき、あらゆる職業に就く可能性を育てること」です。そのためには、「満遍なく触れさせる」ことで十分です。そういった経験をした子供は自分のやりたいことを見つけたとき、幼児期に見つけた土台を踏み台にして自力で成長できるはずです。是非お子さんと色々なことに楽しみながらチャレンジしてみてください。
【関連記事】