では、平日の夕方に見学する時に気をつけたいことはなんでしょう。
ずばり、「予約をしておくこと」です。平日の時間は、短く、あっという間に、暗くなってしまいます。もちろん、暗くなってからの環境チェックが大切ではあるのですが、とはいえ、比較検討する物件が少なくなる可能性があります。
事前に、「○曜日の○時に行くので、これこれの物件見学をさせてほしい」と明確に不動産会社とアポイントをとっておくといいでしょう。こうすれば、不動産会社も鍵を借りておくなどの事前の準備がしやすくなります。「行って、待たされた」では、時間の無駄です。
土日に勤務している不動産会社の営業マンは、平日に交替で休みを取るケースが多くなります。せっかく頻繁にメールでやりとりしていたのに、その経緯を知っている人が休みの日で、またまた一から説明する……ということにならないようにするためにも、予約は有効です。仮にそういう人がいなくても、忙しくて土日の時間が取れないのですから、「この日に確実に決めたいので、経験のある営業マンを」とお願いするのもいいかもしれません。
また、一度に複数物件の比較検討もしたいものです。こちらは転勤で土地勘もありませんから、希望物件をネットで探した後は、「勤務地は○○駅で、家族構成はこれこれ。この物件以外にも、何物件か一度に見たいので、候補を挙げて、見学できるように準備しておいてほしい」などと、要望をしっかり伝えておくといいでしょう。
実は、「どこの会社が管理している物件でも案内できる」という会社も「行ったらいきなり見学できるわけではない」ということがあります。鍵の管理が、管理会社やオーナーだったりするためです。そうしたことを考えても、行く前にネットで検索して、予約をしておく、というのは、効率化のためにはメリットが高い行為です。
では、平日の夕方、見学できない時には…。
ここまで論じてきましたように、実は、休日の日中、物件を見学したとしても、平日の夕方も確認したほうがいいのです。特に、家族がいる場合は、防犯対策も含めて、実際に夕刻歩くことはベターでしょう。ところが、そうは言っても、なかなかできることではありません。
そんなときに有効なのは、転勤する先の同僚の生の声です。転居する部署の人たちは自分が暮らそうとしている街をどう思っているか。たとえば、首都圏から転勤する時に驚くのは通勤時間の感覚です。「一時間ぐらい東京では普通だったけれど、転勤先では、みな10分程度で通っていたが、知らずに遠方を借りてしまった」などということもあります。終電の時間も違うため、地域によってかなり常識は異なります。また、「駅近がよい」という首都圏の常識も地方によっては異なります。駅前がビジネス街ではない街もありますし、ショッピングセンターが郊外にうつり、駅前は閑散としているという街もあるものです。
こうしたことは、やはり、転勤先の人に聞くのが一番です。また、引き継ぎをする前任者にも聞いてみましょう。「残業して遅くなった時には、ここの定食屋のおばさんの味噌汁が美味しい」なんて話も含めて、生活してきた先人の話は役に立つものです。
最後に、ファミリーの転居と、学生の転居でのアドバイスを説明します。