ここを変えればワンランクアップの尊敬語!
よく使う尊敬語も言い換えることで印象が変わることも!
通常の形→ 「先生が言う」
尊敬語の形→ 「先生がおっしゃる」
このように尊敬語とは、尊敬の対象となる相手の動作などに用いて、相手に敬意を表すものです。「言う」を尊敬語で表す場合は、「おっしゃる」という尊敬語を用いますが、もうひとつ尊敬語の成分を足す「言われる」という言い方あります。同じように、「話す」を尊敬語で表した場合、次のような言い方ができます。
通常の形→ 「先生が話す」
尊敬語の形A→ 「先生がお話しになる」
尊敬語の形B→ 「先生が話される」
これらは、「話す」という語に「お・ご~になる」や「れる・られる」形の尊敬語の形、成分を足すことによって尊敬語にしたものです。このAB以外にも、相手や相手の持ち物、相手に関する物事を表す際に用いる田中様、お名前、ご住所などの「お」「ご」「様」も、尊敬の意を表す接頭語・接尾語を付けることで尊敬語にしたものですが、相手の動作を尊敬語にした場合は、先の例文のような言い方になります。「言う」と「話す」という言葉を例にまとめてみますと、次のような尊敬語の種類に分けられます。
基本の動詞 特定の尊敬語型 尊敬語の成分付加型A 尊敬語成分付加型B
言う おっしゃる 言われる
話す お話しになる 話される
いかがでしょうか?
このように基本の動詞を尊敬語にした場合、その言葉特定の尊敬語にする「おっしゃる」の例。または尊敬語の成分を加える場合でもBの「言われる」「話される」よりも、Aの「お話しになる」の形を用いた表現のほうがより丁寧な印象を受けるのではないでしょうか。実際の敬意の高さという点でもそちらのほうが高くなります。「言われる」「話される」などの「れる・られる」形の尊敬語も決して間違いではなく敬語の形としては正しいのですが、このように言い換えることで、もうワンランクアップの尊敬語に変えることができるものです。
では、「おっしゃる」以外に、同じようにその言葉専用の特定の尊敬語をもつ以下の語を実際に言い換えてみましょう。
問題
基本の動詞 特定の尊敬語
食べる ?
する
行く・来る
見る
知っている
解答
基本の動詞 特定の尊敬語
食べる 召し上がる など
する なさる
行く・来る いらっしゃる・おいでになる・お見えになる など
見る ご覧になる
知っている ご存じ
言葉そのものの意味は変わらなくとも、よりスマートな尊敬語を用いることで印象も言葉力もぐんとアップしますね。