みんなもっと自分のことを大事にしてほしい
東京都中央区にあるよつばの会事務局
がん検診の推進をしてもなかなか検診率が上がらない等、情報を発信することの難しさを感じたことはありますか?
原千晶さん:
子宮がんや乳がんの検診は自治体等でも力を入れて推進していますが、なかなか自分のこととして捉えられる人は多くないと思います。
私自身はがん経験者としての立場で、何か伝わるものがあればと思って推進活動をしています。結果として、がん検診受診等の行動を起こしてくれる人が一人でもいればやって良かったと思うようにしています。
余計なお世話かもしれないけれど、みんな自分のことをもっと大事にして欲しいと思っています。
ガイド:
どうしたらがん検診の受診率が上がると思いますか?
原千晶さん:
どこか痛くならないと病院へ行かない人が多いことは理解していますし、予防は大切だけれども、そのことがなかなか伝わらないのも理解しています。
がん検診を推進するなら、教育として学校(中学校~大学)で取り上げていくのが良いのではないかと思います。以前、中学校に招かれて全校生徒の前で講演したことがありますが、それは特別なことであり、一般的には検診の必要性等を授業で学ぶことはないと思います。中学生の頃から習慣付けしていければ良いかもしれません。
ただ自分としては、がん検診の推進(検診率アップや継続性)に、特に使命感はありません。自分の過去はあまり人に言えるものではない(検診を受けてこなかった)し、響かない人にはいくら言っても響きません。
啓蒙活動は今後もしていきますが、それよりも今苦しんでいる人との分かち合いの方が、より大事だと思っています。自分は2度目のがん経験からまだ3年しか経っていないこともあり、まだまだ経験者よりの立場だと思っています。この気持ちは今後も伝えていきたいです。
ガイド:
世の中、情報があふれています。がんの正しい知識を身につけておくことは、備えとして大事ですが、正しくないと感じた情報も実際かなりありますか?
原千晶さん:
確かに、いろいろな情報があふれていて、中には正しくない情報もあります。サプリメントにしても、効き方には当然個人差があり、私自身が今飲んでいるサプリメントは個人的に良いと思っていることであり、人に勧めることはしないようにしています。
身体に良いと言われているものが世の中に沢山ありますが、勧めて何か起きてしまった時の責任問題にも発展しかねないことから、よつばの会では個々への深入りはしないようにしていますし、会員同士で営業行為的なことをするのも控えてもらうようにしています。
よつばの会で心に溜めていたものをどんどん吐き出してほしい