A6ベースの5ドアハッチバック
最近のアウディはモデルがいっぱい増えて、何が何だか分からなくなってきた、なんて思っているクルマ好きも多いと思うので、本題に入る前にとりあえず、最新アウディのメインラインナップを整理しておこう。昔から存在する基本のモデルがA4、A6、A8だ。ご覧の用に、数字が偶数となっているモデルは4ドアサルーンがベースである(その昔、A2という特殊なモデルがあったが、それもまたコンパクトながら4ドアだった)。そして、4と6にはアバントというステーションワゴンボディも用意されている。
一方、奇数のA1、A3、A5は、2ドアがベースのモデル群である。言ってみれば、それはクーペスポーツ&スペシャリティという位置づけだ。けれども、それじゃあまりにも実用的じゃない、けれどもスタイリッシュなモデルは欲しい、というわがままな人たちのために、4ドア+ハッチバックの、いわゆる5ドア仕様をそれぞれに用意している。それが、アウディのいうところの“スポーツバック”である。
ところが、今回紹介するA7&S7のスポーツバックは、ちょっと話がややこしい。A6ベースの5ドアハッチバック、なのでスポーツバックを名乗っているわけだけれども、そもそもA7に2ドア(もしくは3ドア)モデルの用意が今のところはまだない。でかいクーペの需要は、減ってきているとはいえ、あるにはあるのだから、そこが抜けているということは、アウディブランドの限界を見るようで、ちょっと惜しい。
もっとも、R8というミドシップスーパーカーがあるし、M・ベンツやBMWは2ドアが売れないとみたからシューティングブレークやグランクーペを投入したのであって、アウディは先を見越して2ドアの用意をしなかった、ということもできるだろう。