カッコイイ、時代遅れと思われたくないという
見栄で散財してしまう人は
見栄で買い物をしている人は一生金持ちになれない
もっと陥りがちなのは、本当はそこまで必要性は高くないものも、時代遅れと思われたくない、先進的と思われたい、かっこよさそう、という見栄で買ってしまうことです。
もちろん、実際に買って使ってみなければ、その価値はわかりません。であればなおさら、「絶対に元を取ってやる」という気持ちで、どうやって儲けに変えるかを考えてから購買行動に移りたいものです。たとえば、「iPadセミナー」を開く。「営業ツールとしてのiPad導入コンサルティング」というサービスを始める。「iPad情報活用術」という書籍を出版する。「iPadミュージックアプリを使ったオーケストラ」を開催する。「iPadアプリ」を開発し販売する。「iPad用周辺機器」を開発し販売する。
さらに企業は、無料戦略によって、あの手この手で私たちを消費へと誘います。
「タダより高いものはない」、と言われますが、これは言い方を変えると、「タダゆえに理由がある」、ということです。タダ、もしくは破格値ということは、それはフロントエンド商品の可能性が高いといえます。ということは、企業が本来売りたいバックエンド商品が後ろに控えている、と考えて間違いはありません。当然ですよね。企業は損するような活動をするはずがありませんから。
昔ながらのフリー戦略は、試食・試飲です。スーパーやデパ地下では、マネキンさんが試食を提供してくれます。これはもちろん、味見をして商品を買ってくださいね、という広告宣伝活動なのは、誰でも知っています。私たちはお腹が空いてから買い物に行くため、また、ショッピングという、ある意味非日常空間にいるためか、なぜかおいしく感じます。それに、私のような小心者は、「食べたから買わなきゃ申し訳ない」という心理が働き、つい買ってしまうのです……。
なぜ銀座の宝飾品店が、ダイヤをタダで配ったのか。なぜ新刊の書籍が、ネットで全文無料公開されるのか。なぜセミナーが無料で行われるのか。なぜイベントに参加するだけでクオカードがもらえるのか。なぜ新聞屋は洗剤や野球観戦のチケットをタダでくれるのか。なぜ通信端末とセットなら、パソコンが1円で買えるのか。
私たち消費者が、タダで何かを得るとき、それはフロントエンド商品ですから、「ではバックエンド商品は何か?」を見極めて消費活動を考えるようにしましょう。そうしなければ、企業の優秀な社員たちが、必死に考え出したフリー戦略にまんまとはまって、商品を買わされてしまうのですから。
そういうメカニズムや供給サイドの狙いを意識するだけで、衝動で余計な出費をするのを防ぐ一助となります。また、自分が事業者になった場合の、ビジネスモデルやマーケティングプランを考える際にも役に立つ視点です。