折畳み椅子の原型的存在の椅子
Gian Carlo Piretti(ジャンカルロ・ピレッティ):『PLIA /プリア』
細いパイプフレームと透明なプラスチックの面、無駄なモノは全て排除し、最低限の要素で構成の椅子。そして薄く平面に折畳むことのできる椅子なのである。
今回ご紹介する椅子は、1969年にデザインされた折畳み椅子:『PLIA /プリア』ノノ現在も生産されつづけている世界のロングセラーの椅子のひとつである。
実はこの椅子には深い想い出がある。
ボクが会社務めに区切りをつけ独立する時、こんな話があった。
「同僚が石川の独立記念にプレゼントを計画しているんだけど、ナニがいい?ノノお前のことだから、椅子かな?。。。アイテムを考えておいてくれ!」(当時からご承知の椅子○○○だったんだなぁ。。)
予算のことも考慮して、あっちこっちとショップを見てまわったことを覚えている。その時、洋雑誌(言い方が渋いです)で見つけた宇宙的で美しい椅子、それも折畳みができる椅子。
『コレだ!』って、PLIAの話をすると二つ返事でOK!しかし、その後が。。
『椅子は2脚ないとダメ!なので、できれば2脚!』と言ったとたん。。。皆、唖然。。。。。プレゼントに注文をつけ、その挙げ句に2脚とは。
最終的には、ボクもお金を出すから。。云々だったかどうか覚えていないが、今でも2脚のPLIAが手元にある.....出したかなぁ。。。
なわけで、とても想い出深い椅子:PLIAは、数々の名作椅子をご紹介している一家一脚・椅子物語シリーズでも初の折畳み椅子である。椅子はかさばるから、折畳んで仕舞うことがことができたり、重ねて仕舞えることは、(椅子を)デザインをする上でも、選ぶ上でも(機能として)大切なポイントの一つなのである。
Gian Carlo Piretti(ジャンカルロ・ピレッティ)は、今では当たり前のオフィス用椅子の5本足(キャスター付)を最初にデザインしたり、1本の支柱に納まる傘立等、技術的な精密さと機能を追求したデザインが特徴のデザイナー。
椅子を単なる折畳むことだけではなく、その折り畳みのメカニズム、仕舞方、折畳む為のシステム、素材など、シンプルで美しいデザインのPLIAは当時画期的なモノだと絶賛された。とにかく、彼のデザインは分りやすく、誰もが一度は発想する、その発想をカタチにしたデザインなのである。
シンプルなサイドビュー
サイドビューは、脚と座と背の接点が五角形のヒトデ模様を形成し、中心接点を軸に椅子を構成していることを表している……中心接点の丸い金属盤は当初3点あり、デザインを進めていく上で最終的に1点にまとめられた。
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それでは、次ページにてこの椅子の細部をご紹介しよう!