公認会計士試験/公認会計士とは

就職氷河期!? 公認会計士業界の就職状況(3ページ目)

公認会計士業界は就職氷河期にあります。公認会計士試験合格者が監査法人で働きたいのは、公認会計士の資格を取得するために、「2年以上の実務経験」が必要だからです。就職難の背景には、合格者の供給過剰と需要の減少がありますが、中長期的には解消していくと見ています。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

就職難の理由は?~合格者数急増と需要の伸び悩み~

それでは、なぜ就職難が発生しているのでしょうか?

ひとつには別の記事で書いた通り、平成20年から始まった内部統制監査のために公認会計士試験の合格者数を一時的に大きく増やしたことが挙げられます。これによって供給が大幅に増加しました。

それに対して、公認会計士に対する需要は当初期待されていたほどには増加しませんでした。さらに、公認会計士が供給過剰になった結果、監査報酬の値下げなどによって、公認会計士間での競争が激化し、金額ベースで見た需要は減少しかねない状況です。

特に以前は、上場企業が監査法人を変更することについて、投資家の眼が厳しく向けられていました。「なぜ、変更するの? 監査法人との間で見解が対立するような問題が発生しているのではないか?」とネガティブに見られやすい状況でした。

でも、今は違います。監査法人の変更は日常茶飯事。その結果、価格競争が激しくなり、監査報酬の低下が起こっているのです。

ともかく、供給過剰、需要減退により、公認会計士試験合格者の就職難が生じているといえます。

供給の増加と需要の減少

【図 供給の増加と需要の減少】

平成21年以降、合格者数が急減していることから、中長期的には就職難は解消されていく方向にあると見ています。







※最新の就職状況「公認会計士の就職難が解消された背景と今後の見通し」の記事はこちら

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