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#32『イサム・ノグチ』展/後編(3ページ目)

彫刻から空間デザインへ?その無限の創造力に触発されるイサム・ノグチ展。ニューヨーク、日本の美術館所蔵の作品の中から46点を展示。ガイド自らカメラ片手のプレス・レポートです。取材協力:東京都現代美術館

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

ノグチ作品の集大成:『モエレ沼公園(札幌)』


さて、最後のコーナーでは、ランドスケープ……つまり、公園や庭園の作品群。
中でも、ノグチがこの世を去ってから17年が過ぎ、その意志を受け継いだ人々により、製作し続けられてグランドオープンを迎えた『モエレ沼公園(札幌)』がメイン。


■モエレ公園 マスタープラン:イサム・ノグチ 監修:イサム・ノグチ財団、ジョージ・サダオ 
写真をクリックすると拡大されます。
若き日のノグチが描いた大地のデザインが基であり、激動の20世紀を疾走したイサム・ノグチの集大成。この作品は広大な敷地に様々な造形を誕生させ、人が集い、自然を愉しむというノグチが常に思考し続けたハッピ=な世界なのである。 さて、ファニチャーイストのボクにとっては、今回の展覧会、ファニチャ-が少ないなぁ。。と呟いていると 「ミュージアムショップの奥にソファー等がご覧になれますヨ!」と学芸員の酒井さん。 思わずニッコリ。早速、そこへ向かう! 見えてきました、ノグチファニチャーが。
■ノグチテーブル 1948年制作 ガラス、木 ■フリーフォーム・ソファ、オットマン 1946年制作 メ-プル、布  

■イサムノグチが作りだした数々の作品の中で、非常に親しまれている『AKARI』。今回の展覧会を記念して完全復刻版『AKARI 2005-1AB』
他の彫刻作品と同じく自然の風景が見えてくる。まさに、彫刻もファニチャーもノグチにとっては、同一視点の作品……個人的には、ノグチの彫刻作品と同じ場所にこれらのファニチャーも展示されたら、アートとデザインの興味深い関係が見えてくるのになぁ。。。とブツブツ。 あらためてイサムノグチの激動の人生と作品群を通して感じることは、造形は常に自然がお手本で、大地に根ざした生命がテーマ。そして、平和へ想いが詰め込まれていることである。 ……まさに、現代社会で枯渇している問題を指摘しているかのようにも聞こえてくる。 ■会場:東京都現代美術館 「イサム・ノグチ」展
■会期:2005年11月
■観覧料:一般\1,300-/大学・専門学校生\900-/中高生・65歳以上\500-
■開館時間:10:00am~18:00pm(入館は17:30pmまで)
■休館日:月曜日

※取材協力:東京都現代美術館


※全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。

(C)2001-2006 Copy & Photo by イシカワデザイン事務所

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