3、公務員試験の前哨戦として
今、公務員試験は大学生に大変な人気です。法律系国家試験の司法試験・公認会計士試験・弁理士試験と比べても、公務員試験は圧倒的に人気があります。先の見えない現在の日本の状況を考えれば、大学生が安定性の高い公務員を目指すと言うのは当然かもしれません。公務員志望の学生は、行政書士受験を公務員試験の前哨戦にする傾向があります。私の受講生にもこのような学生が多数いました。なぜ彼らが行政書士試験を前哨戦とするかといえば、多くの試験科目が重複するからです。また、公務員試験の勉強に張りを持たせるため行政書士試験を受験している学生が多かったように思います。
講師の立場から申し上げると、法律系国家試験は独特の試験傾向があります。やはり、大学受験の試験勉強とは一味違います。それを知る上でも、行政書士試験は有益だと思います。なお、行政書士試験のレベルを公務員試験にあてはめるならば、おおよそ地方上級試験に相当する程度だと思います。
公務員試験の勉強時期については様々だと思います。もし、行政書士試験を受けるのであれば、大学一年生の終わりあたりから二年生のときに真剣に行政書士試験を勉強して受験をし、三年生から公務員試験の勉強に専念するというのもいいかもしれません。公務員試験の法律科目が相当楽になると思います。また、副次的効果として、法学部生ならば、学校の単位取得が非常に楽になると思います。
4、民間企業に就職の際のアピール材料として
私も大学時代に就職活動をしたことがあるのですが、就職試験で「大学時代は何をしていましたか」ということを必ず聞かれます。その際、行政書士試験の受験勉強をしていたということはアピールポイントの一つになると思います。誘惑と怠惰が付きまとう大学生活において、将来を見据え自らを律して勉強をした姿は好印象を持たれると思います。資格取得をした私の受講生は、銀行などの金融機関に就職しています。行政書士資格を取得したら金融機関に就職できるわけではありません。しかし、行政書士は国家資格です。自分の法律適性を客観的に示す大きなライセンスになると思います。金融機関など日々法律を使う業界は、新入社員の法律適正を望むことは言うまでもありません。
もちろん、法律適正を示すのであれば、司法試験合格・公認会計士試験合格・弁理士試験合格の方が良いとは思います。しかし、これらの資格を大学在学中に取得することはとても難しいと言わざるを得ません(ただ、公認会計士試験は平成24年度で見るならば大学在学中合格者が22%も占めるので、在学合格は可能だと思います)。現実問題として考えると、大学生が自分の法律適性をアピールしたいのであれば、行政書士の資格取得は最適だと思います。