プロ棋士養成機関に入ると大会には出られない
奨励会員は、小中高校生の大会を含むアマチュアの将棋大会に出ることは禁止されています。中学生の全国大会も大規模なものが行われ、そこからもプロ棋士は多数誕生しているのですが、中学生になると、奨励会員になっていて大会に出られない強豪が増え、本当の中学生最強を決める意味が薄れる面があります。また、トップ棋士は小学生のうちに奨励会入りし、それ以降の大会には出ないケースがよくあったのも、小学生名人戦がプロ棋士の登竜門と言われ、注目される理由と言えます。小学生名人戦の参加者は男子が多数を占めますが、女子の参加も年々増えています。
各県予選の日程は、公益社団法人日本将棋連盟のサイトのこちらに掲載されています。出場資格は2013年4月時点で小学生であること。住んでいる都道府県の予選に出場します。2013年1月の時点で小学校6年生の子は出られないということになります。これは全国準決勝、決勝やNHKでの放送時点での学年に合わせているためです。
各県で違う予選の方式
日本将棋連盟では、より多くの子どもが小学生名人戦に参加しやすくなるための策として、県予選の前に地区別予選をすることや、棋力別のクラスを設けることを各県予選主催者に勧めてきました。埼玉、千葉などは、県代表を争うクラスの他に、実力別に3段階のクラスを設けています。東京23区では、名人クラスの他、級位者クラスと初心者クラスがあります。青森では、地区別予選のあとに地区代表者による県予選を行う形です。まだ参加できる県予選がたくさんあります。時間と会場が掲載されていますが、事前申し込みが必要な場合も多いので、いきなり出向くことはせずに、まずは問い合わせてみましょう。県予選主催者のホームページにリンクが貼ってあり、申し込み方法など詳細が見られる県もあります。毎年、年末くらいに日本将棋連盟のサイトに、全国の小学生名人戦の県予選の案内がアップされるので、次回以降出場を考えている場合もチェックしてみてください。
大会では情報収集を
代表を選ぶクラス以外では、その都道府県の在住者以外も出られる場合や、現6年生や未就学児も出られるようにしている場合もあります。また、負けて早く終わってしまった子どものために、プロ棋士による指導対局を用意している県予選もあります。もし、子どもにとって初めての大会として小学生名人戦に出場する場合は、大会の最初の説明はよく聞くことが大切。対局中に、親が子どもに話しかけることは「助言」とみなされるので、してはいけません。また、対局相手が知らない子どもだと、つい体格で強さを判断してしまいがち。ですが、小柄な子や低学年であっても強い子どもはたくさんいます。もし、子どもが負けてしまっても、「あんな小さな子に負けたの」といった発言は慎みましょう。
小学生名人戦の県予選には、多くの親や将棋指導者が集まるので、子どもがもっと大会に出たい、もっと将棋を指したいと思っているならば、格好の情報収集の場でもあります。その県では、子どもが出られる大会がほかにあるのか、子どもが将棋を指せる場が近くにないか、他の保護者や関係者に聞いてみることをおすすめします。