4、知的所有権を活かして行政書士へ
行政書士の業務は広範囲であり、知的所有権に関係するものも少なくありません。著作権登録は文化庁管轄なので行政書士業務です(行政書士法1条)。また、特許申請は弁理士の仕事であり行政書士は関与できませんが、特許権取得後、その権利変動についての契約書作成をすることができます。私も企業から知的所有権に関する契約書作成の依頼を受けて作成することがあります。しかし、専門的知識がない分野についての契約書作成は困難を極めます。そして、知的所有権の契約書は、専門とする事務所は別ですが、一般に法律事務所や行政書士事務所は扱いたがらない傾向があります。私が受けた依頼の中にも、弁護士や行政書士に断られたから回ってきたことが何回かあります。
理系の知識と法律の知識をうまく組み合わせることができれば、高度の専門性を持った行政書士業務を展開することができると思います。競争者が少ないため成功する可能性は高いと思います。
5、農学系は種苗法専門の行政書士へ
種苗法は、「コシヒカリ」など植物の新品種の創作の保護を定めた法律です。種苗法の申請は農林水産省管轄であり行政書士の仕事です(行政書士法1条)。この分野を扱っている行政書士事務所はとても少ないです。仕事獲得に努力は必要だとは思いますが、種苗法申請に限らずにその周辺の権利関係の仕事も合わせて行えば、チャンスが眠っている分野だと思います。
なお、農家との結びつきが強いのであれば、農地転用という仕事もあります。比較的仕事の多い分野です。売り込む際に、農学を勉強していたという経験があればやはり対応は違ってくると思います。