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SONY DESIGN-BRAVIA-の秘密(前編)(3ページ目)

増々大型化する薄型TV。室内空間では絶対的な存在となってきた。と同時にそのデザインが気になるアイテム。そこで世界的ブランド「SONY」のBRAVIAを手掛けたデザイナーにインタビューした。協力:ソニー株式会社

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

TVデザインについて
大型TVは家電ではなく「家具」だ。


……ボクは常々TVは空間の一部にあってほしいと思っています。
通常のTVはON(スイッチをいれ番組を見ている状態)よりOFF(見ていない状態)の状態の方が長いので、OFFの状態でどうあるの?っていうのがとても大切だと思う。そんな視点からBRAVIAをみると、フッと浮いている・・それは、かなり空間を意識したデザインだと思うのですが、いかがですか?


ウン、もうね、「私のところへズバッと、ストライクです!」まったくその通り、同感ですね。

               (一同笑い!)

新津 TVは家電ではない。
もはや大型TVは家電という発想をしてはいけない。ボクはね、「家具をデザインするつもりでやっています!」と言っていました。
部屋の雰囲気を支配するボリュームなので、とおり一片の家電的な表現はみぐるしい。自分が使うのだったら、それは嫌だなと思った。
インテリアコンシャス(意識的空間イメージ)にしたい。
キーワードとして、日本家屋の中を見回してみると窓や窓枠で使用している「ガラスとアルミ」としたのです。それは自然だし、正面から見るとガラスとアルミしか見えない。しかも、ガラスはちゃんと透けていて、向こう側と手前側とで空気の交流がある、そんな状態をインテリアコンシャスにしたかった。消したときも、その佇まいが奇麗になるように。

実は、今回のブラビアデザインにあたって、日本、アメリカ、イギリスから6名によるコンペティションを行ったのです。
その時ボクは、インテリアコンシャスの究極はユーザーにご自分のカラーコーディネートのチャンスをつくること。
だって、ソフアーを買いに行ったって何色か選択できるじゃぁないですか。
だから色がないっていうのはおかしいよね。ボクが、これは家具だと主張している以上は、その切り口があって当然だよね。
そこで周辺の透明部分にはLEDを使用した仕掛けとフレームのカラーバリエーション(色の着せ替え)をデザインに取り入れました。ユーザーには好評でシルバーと黒はベースだが日本では白、欧米では赤が一番人気色です。
SONY BRAVIA(ブラビア) のカラーバリエーション。


最初ボクは20色ほどやりたいと言ったのです。

……きれいだろうなぁ!
是非とも定番の黒やシルバーではなく、室内空間で重要な要素になる大型TVのカラーバリエーションのデザインを望みますね。それに、そのような家電にファニチャー的コンセプトでアプローチしているところが好きですね。


新津 このデザインを受け入れてくれた会社がSONYらしいのですよ。
他のメーカーだったらどうなんだろうなぁ?




……「大型TVは家電ではない。家具をデザインしているつもりです。」は、ファニチャー・インテリアデザインに携わるボクには嬉しい言葉です。それを商品化するSONYの会社としてのコンセプトに感激しますね。


薄型TVでは最後発のSONYがデザイン性重視のBRAVIAを登場させた。そこには美しいインテリア空間の佇まいを意識したデザインがある。開発の舞台裏では、新津さんのように確固たるポリシーを抱いたデザイナーの存在、そしてコンセプトを充分理解しあうスタッフ・組織と会社の理念がみえてくる。

オリジナリティーデザインへの追求がカタチに、ブランドに、なるのだ。


さて、後編では新津さんがイメージしたデザインの貴重な1シーンと大型TV・今後のデザインについて迫ります。




■今回の関連リンク
BRAVIA(ブラビア)




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