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どうなる2013年の住宅取得 政権交代はどう影響する?

今回が今年最後の「ハウスメーカー選び」のガイド記事。そこで、2012年の住宅業界の振り返りと、2013年の住宅取得のポイントについてまとめてみました。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

住宅の世界の有り様は世の中の変化に影響を受けるものです。先日行われた総選挙とそれによる政権交代劇も、これから住宅を取得しようという方々に、何らかの影響を与えると考えられます。そこで、今回は2012年の住宅業界の振り返りと、2013年のポイントについて書いてみたいと思います。

2012年はスマートハウス普及元年

2012年は東日本大震災の翌年ということで、11年からの課題である省エネ・節電が住宅の世界で最も注目された出来事でした。昨年同様、夏と冬には電力不足が懸念された状況ですし、これは原発稼働の問題が解消されない限り、今後も続いていくことでしょう。

スマートハウスのブース

2012年を象徴する存在となったのがスマートハウス。大手ハウスメーカーを中心に普及が本格化した。写真はエコプロダクツ展でパナソニックグループのブースで展示されたスマートハウスに関する展示(クリックすると拡大します)

その中で2012年は「スマートハウス」が本格的な普及が始まった年となりました。また、「スマートタウン」や「スマートシティ」などの名称で、スマートタウンによる街づくりも始まるようになり、住宅業界の一大キーワードになっています。

中でも特徴的なのが、家庭用蓄電池が実用段階に入り、商品化も行われるようになってきたこと。蓄電池は電力需要のピークカットに貢献をするものとして、これからの住まいに不可欠なアイテムになるかもしれません。

蓄電池の設置には補助金制度も用意されていますが、まだまだ高額であるため普及のスピードは太陽光発電などと比べ早くはないようです。しかし今後はメーカーの量産効果によるコストダウンも期待できますから、私たち消費者はその動向をチェックしておくことが必要になるでしょう。

このほかスマートハウスがらみでは、今秋に家電や設備の制御を行う通信規格「エコーネットライト」が、業界で合意されたのも大きなニュース。これにより、スマートフォンなど携帯端末を通じインターネットと接続し、家電や設備のオンオフや調整などが行えるようになりました。

例えば、外出先からスマートフォンを使ってお風呂のお湯張りができたり、エアコンを作動させることが可能になるわけです。忙しい現代人にとってはより便利なアイテムであり、対応商品も販売されるようになりました。

このことが何を意味するかというと、これまでハウスメーカーや工務店など住宅事業者と、そこに設備などを供給するメーカーで形づくられてきた住宅供給の世界に、様々な異業種がより本格的なかたちで参画できるようになってきたということです。

新政権発足で住宅取得の環境はどう変わる?

つまり住宅の世界はエネルギーや通信、健康、医療、介護、福祉、セキュリティ、エンターテインメントなど、これまでにない様々な住生活サービスを内包する分野
へと変貌を遂げるということ。それくらいスマートハウスの普及には影響力があるというわけ。そして2013年もその動向は見逃せないと思います。

家庭用蓄電池

家庭用蓄電池の実用化も2012年のニュースの一つ。現在ではまだイニシャルコストが高く導入が難しいとされるが、本格的な普及段階に入れば量産効果によるコストダウンが期待され、導入しやすくなるかもしれない(クリックすると拡大します)

さて先日、衆院議員総選挙が行われ、民主党に代わり自民党が政権に就くことが決まりました。これも住宅取得を目指す皆さんにとっては大きなニュースです。住宅取得と政権交代が何故結びつくのかというと、政権が変われば住宅政策や住宅税制に微妙な変化が現れてくるからです。

民主党政権下では、歴史的な低金利を背景に住宅ローン利子控除など史上最も手厚い住宅取得促進策が設けられていました。もちろん、この優遇策は前回の自民党政権時の施策を受け継いだものですが、だからといって新しい政権がこれを引き継ぐのかは、現時点においては不透明と言わざるをえません。

例えば、現在、原発に代わる自然エネルギーの促進策として太陽光発電などの普及に効果を発揮している「再生可能エネルギー買取制度」などのあり方には、もしかしたら何らかの変更があるかもしれません。というのは、現在ストップしている原子力発電所の再稼働が行われるかもしれず、そうなると再生可能エネルギーの必要性は薄れるためです。

それはまた、現在普及が進みつつあるスマートハウスの分野にも影響を与えかねません。このように、政権の交代を含む社会の移り変わりは住宅の世界に大なり小なりの変化を与えるものなのです。そしてそれは、私たち消費者に最も影響を与えかねない消費税率の動向についても同様です。

次のページでは、この消費税の話題から話を進めていきます。
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