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どうなる2013年の住宅取得 政権交代はどう影響する?(2ページ目)

今回が今年最後の「ハウスメーカー選び」のガイド記事。そこで、2012年の住宅業界の振り返りと、2013年の住宅取得のポイントについてまとめてみました。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

現時点で、私が2013年の住宅取得をめぐる最大のポイントになるとみているのが消費税問題です。消費税率が上がる(現行税率5%から14年4月に8%、15年10月に10%へ)と、その分総住宅取得額が上昇し、それだけ皆さんの住宅取得のハードルが高くなるわけです。

現行消費税率のデッドラインがまもなく到来!

ここで改めて、住宅取得、中でも注文住宅の建築を検討されている方に消費税率アップ(8%)のタイミングについてのポイントをお知らせしておきます。
<5%税率が適用されるケース>
2013年9月30日までに請負契約を締結した住宅、または2014年3月31日までに引渡された住宅
<8%税率が適用されるケース>
2013年10月1日から2015年3月31日までの間に請負契約を締結した住宅、または2015年9月30日までに引渡された住宅

消費税

2013年の最大のキーワードは消費税率のアップ。住宅取得を検討されている方は、新政権が住宅取得に対してどのような配慮を行うのか、注目していただきたい

それぞれに期間が設けられているのは、特に注文住宅の場合、契約~着工~引き渡しを受けるまで時間がかかるから。平均で約9ヵ月ほどはみておく必要があります。要するに、8%税率を免れるためのデッドラインは実質来年の9月末ということになるわけです。そう考えると、住宅検討のための時間はそう長く残されていないといえます。

ところで、この消費率のアップについては、今年、民主党と自民・公明両党との合意によって実現したものですから、新政権となったとしてもその方針が覆ることはないように思われます。ただ、現時点で消費税率アップの撤回の可能性がないわけではありません。

注目して頂きたい問題は、消費税率アップにあたって住宅取得時の負担について軽減措置を実施することが明言されていること。民主党政権下では残念ながら、それをどのように実施するのか具体的な策は明らかにされませんでした。それを新政権がどのように行うのかについて、しっかりと注視して頂きたいと思います。

もっとも自民党は、経済の再生や活性化を旗印に政権奪還を果たしたわけですから、これまでの住宅取得促進策を覆すようなことは考えられません。というのも、住宅は我が国の内需を支える経済の柱の一つだからです。そのため、民主党も手厚い住宅政策を展開してきたわけなのです。

すでに消費税率アップの駆け込み需要が始まっている

一方で、新政権への期待から日経平均株価が1万円を上回るなど株式や円高に改善の兆しが見え始めていますが、その影響で長期金利が上昇の気配を見せています。これは住宅ローン金利の上昇につながることですから、住宅取得においてハードルが高まる可能性も指摘しなければいけません。

仮設住宅

仮設住宅の様子。2013年は「復興住宅」の建設が本格化する1年にもなりそうだ。新政権には、住民の方々の要望をくみ取りながら、スムーズな建設を促すよう望みたいものだ(クリックすると拡大します)

というわけで、消費税問題が2013年の住宅市場を占う重要な要素となるわけです。住宅業界は、前回の消費税率アップの後、駆け込み需要の反動減で大きな打撃を受けた経験があります。ですので、ハウスメーカーの経営者のお話を伺うと、その関心はもっぱら消費税アップ後の反動減にいかに対応するか、ということになっています。

そして、すでに駆け込み需要は始まっているようです。新政権には、消費税アップにあたっては経済の混乱を避けることはもちろん、住宅取得を検討する特に若い世代にとって不利益が生じないよう、ソフトランディングできる体制をぜひ整えて頂きたいと思います。

さて、ここからは私自身の2012年の振り返りと2013年の抱負を少しだけ書かせて頂きます。私は今年になって、仕事の関係で東北の被災地をよく訪れるようになりました。その際、現地の方々や復興に尽力される方々を取材することができました。

感じたのは、被災地の復興はまだまだ始まったばかりであるということ。特に住まいの分野における復興は未だ手つかずに近い状態であると感じましたし、そこへの支援は今後本格的に必要とされるだろうと思いました。

2013年はこのガイド記事の中で「復興住宅」の話題なども盛り込みながら、改めて住まいづくりの大切さやそのポイントを考えていければと考えています。今年一年ご愛読ありがとうございました。良い年末年始をお迎えください。
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