中国/中国の観光・世界遺産

中国の世界遺産「泰山」で皇帝気分を味わう!(2ページ目)

永い中国の歴史の中で、歴代の皇帝たちが自らの正統性を示すために登った山、それが「泰山」(たいざん)です。今では入山料さえ払えば誰でも日帰りで登れるようになりました。頂上から雲海の彼方を眺めながら、中国皇帝の気分を味わってみませんか?!

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

いよいよ泰山へ!

泰山への第一歩、「一天門」

泰山への第一歩、「一天門」
 

さて、岱廟を抜けると泰山までは一直線。入口である「一天門」までの約1.5kmの間で、登山に備えて腹ごしらえなどしておくと良いでしょう。

頂上までは8938m、6366段の階段を登らなければなりません。早い人で4時間、普通の人で5~6時間といったところ。ずっと石畳で舗装されているので非常に歩き易いですが、はっきり言って、めちゃくちゃ疲れます!

 

中天門付近と泰山の全容

中天門付近と泰山の全容

序盤戦である「中天門」までの約5.5kmは、比較的なだらかな石段が続きます。途中にある様々な祠や神殿に御参りしながら歩みを進めましょう。前方にはこれから登る泰山の山容が見え隠れして心が躍りますが、中天門手前にある「歩天橋」からは急な石段がしばらく続きます。これから始まる試練への序曲です。

 

中天門から十八盤へ

中天門にたどり着くと急に視界が開け、泰山のほぼ全容が眼前に飛び込んできます。標高840m。安心したのもつかの間、ここからは泰山登山もいよいよ佳境、勾配がさらにきつくなります。

秦の始皇帝が雨宿りをしたという「五大夫松」

秦の始皇帝が雨宿りをしたという「五大夫松」

この途中で見逃せないのが「五大夫松」。秦の始皇帝がこの松の下で雨宿りをし、感謝と共に「五大夫」の位を授けたという有名な松です。

五大夫松を過ぎてしばらく行くと右手の山肌に詩文が刻まれているのが見えてきます。清の乾隆帝が行幸した時に詠んだもので、「万丈碑」と呼ばれています。

 


いよいよ最大の難所、「十八盤」!そして南天門へ

泰山名物「十八盤」。1600段の急勾配を一歩一歩登る最大の難所

泰山名物「十八盤」。1600段の急勾配を一歩一歩登る最大の難所


そして、ついに泰山登山は最大の山場を迎えます。800mの距離の間に、約1600段の石段で計400mを上る「十八盤」が待っています!

傍らには「天に登るが如(ごと)し」の刻みが

傍らには「天に登るが如(ごと)し」の刻みが

この十八盤は泰山のシンボルとも言うべき光景で、多くの登山者が息を切らして天を仰ぎながら登って行きます。

手すりがあるのでそれほど怖くはないのですが、後ろに倒れでもしたら一気に下まで転げ落ちてしまいそうな角度です。どんなに体力に自信がある人でも、ここでは無理をせず休みながら登っていきましょう。

 

十八盤のゴール、「南天門」

十八盤のゴール、「南天門」

1600段を登りきると、ゴールの南天門です。ここまでたどり着いた人は例外なく、ゼーゼーいいながら眼下の十八盤を感慨深く眺め、自らの労苦をねぎらいます。

この南天門は1264年の創建で標高は1420m、ここまで来たら頂上はあと少しです!

 


天街を通って最高峰「玉皇頂」へ!

まさに天国にいる錯覚を覚えそうな「天街」の街並み

まさに天国にいる錯覚を覚えそうな「天街」の街並み

南天門を過ぎて右に折れるとそこは「天街」、この写真を見てください。まさに天の街、もう説明はいりませんね!

この天街にはお土産屋や旅館などが多くあります。山頂で一泊する予定の人は、良さそうな宿の当たりを付けておくと良いでしょう。

 

 

泰山の神秘的な山並みを見下ろす

泰山の神秘的な山並みを見下ろす

天街を過ぎるといよいよ頂上の「玉皇頂」が見えてきます。このあたりから見る泰山の雲海はまさに仙境。歴代の皇帝が崇めてきたこの山の神性が五感に染み入るようです。

 

726年、唐の玄宗皇帝による「唐摩崖」(右側の金字の部分)

726年、唐の玄宗皇帝による「唐摩崖」(右側の金字の部分)

頂上手前に最後の見所が一つ。高さ13.2mの「唐摩崖」と呼ばれる石碑で、阿倍仲麻呂が仕え、楊貴妃を寵愛した唐の玄宗皇帝の行幸の際に彫られたもの。 「紀泰山銘」の表題を含む1008字が刻まれています。

 

ついに泰山の頂上「玉皇頂」に到達!

長い道のりを経て、ついに泰山の頂上「玉皇頂」に到達!

最高地点の玉皇頂は標高1545メートル。それほど高い標高ではないのですが、その道程のハードさと風光の幽玄さはそれ以上の高さを感じさせます。

ついにたどり着いた最高峰、封禅の儀式を行った歴代中国皇帝の気分に浸りながら、気の済むまで中国悠久の歴史と壮大なロマンに思いを馳せましょう!


>> ハイライトは翌朝の御来光!ぜひ山頂で一泊してください

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