子どもが親に「親のお金の話」を切り出す方法
話を切り出す時期がみえたら、次に、何を聞くのか整理してみます。●どうやって聞き出すか
・通帳の残高とか細かすぎることはいきなり聞かない(警戒される)
・収支状況をさりげなく聞き出す(アバウトな会話からスタートして安心させる)
例)そういえば、年金って生活費足りているの?
・友人の話などを例にして話し始める(他人の実例からニーズを聞き出す)
例)親が介護になって苦労した知人の例を挙げ、自分の親の意向を探る
最初のヒアリングはざっくりとしたところからスタートしましょう。例えば「相続財産っていくらぐらいあるの?」から聞き始めるのは難しいでしょう。むしろ何度か話を持ちかけつつ、徐々に具体的な話を聞いていくくらいのつもりがいいでしょう。
しっかり聞き込みたいのでしたら、「資産状況」「公的年金の額」「保険の加入状況」「介護施設等の入所意向」「延命治療の希望」「葬儀のリクエスト」などがテーマとなります。ぽつぽつと話題にしていくといいでしょう。
いずれにせよ、一気になんでもかんでも聞き出すのは無理です。どうしてもまとめて聞きたいのであれば、帰省時に「エンディング・ノート」を持っていって、次の帰省までに書けるところを書いてもらう、というのも方法のひとつかもしれません。ただし、死に関係あるテーマですので、渡し方には注意を払ってくださいね。
今年の帰省は、去り際に「最初のお金の話」をしてみよう
田舎に帰省し年末年始を過ごし、都会へ帰る前日、うまく時間を作って(例えば妻や子を遊びに行かせるとか)、親とお金の話をしてみてほしいと思います。どんな小さな情報でも、会話を繰り返していくうちに役立つ内容になっていきます。決してムダになることはありませんので、親が元気なうちに少し話をしてみてください。
今回(2012-2013年)は年末年始が長いですから、1月3日に帰らずのんびり帰省する人も多いと思います。1月2日にうまく切り出せなくてもチャンスが何日かありそうです。ちょっと勇気を出して話を切り出してみてください。子どもが親のことを真剣に心配しているという気持ちが伝われば、きっと有意義な話し合いになると思います。
しかし、どうしても結局この冬は切り出せなかったということもあるでしょう。その場合も、次の夏に再チャレンジしてみてください。夏のほうがお墓参りもあるでしょうし、滞在日数も多い場合があるため、話を切り出しやすいかもしれません。重要なテーマですから、あきらめないで課題を継続させていくことが大切です。
もちろん、自分の実家だけでなく、配偶者の実家の相談もしておきましょう。自分の親だけ熱心に聞くのはやはりNGです。
2012年のマネーハックコラムはこれが最後になります。来年も楽しいマネーハックコラムをお送りしていきたいと思います。皆さんよいお年を!